のど飴戦士アイバチャンSeason11 【第14話】
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
また、体質についての記述は医学的・科学的根拠がありません。
あらかじめご了承ください。
シゲママ
「おじさん…あ、お義父さん!
ホンマに久しぶりねー!
お義母さんには電話しといたわ〜。
今迎えに来てくれるって言ってたわよ。」
おじいさん
「智子ちゃんありがとな〜。
いやぁ〜大きくなったな!
すっかり良い奥さんやないか!
マオ!
ちゃんと父ちゃんと母ちゃんに連絡してくれないと!
22年も行方がわからなくて心配だったんだぞ!」
シゲパパ
「ごめんごめん。
奥さんと孫の顔も見せてやんなくて。
子供たち、こんなに大きくなったんや。
3人とも父ちゃんの孫や。」
おじいさん
「おー、そうかそうか。
ワシは孫が6人もいたのか。
みんな男の子なんだな!」
シゲ
「6人…あ、ちゃう!
こっち3人は親切な近所のあんちゃん!」
相葉ちゃん
「お邪魔してまーす!」
ユーゴ・ジェシー
「いつもお世話になってまーす♪」
相葉
「お待たせしましたー。
ママさんお手製ちゃんこ鍋でーす!」
シゲママ
「最初ちょっとだけしかやってへんよ。
ほぼ相葉ちゃんお手製やから。笑
お義父さん。
このあんちゃん近所でお店やっててな、料理ホンマに上手いのよ。」
おじいさん
「ほほぅ、そうかそうか!
確かに美味そうやわー!楽しみや!」
シゲ
「じいちゃん、取ったる〜。」
のんちゃん
「僕はおじいちゃんの膝の上で食べます。」
タカヒロ
「のんちゃん可愛いことするやん!
じいちゃん、何か飲む〜?」
おじいさん
「ありがとな!マオ!」
タカヒロ
「俺もマオ?」
シゲ
「マ、マオが増えたw」
ジェシー
「AHAHAHAHA!
おじいさんはママさんとも知り合いなの?」
シゲママ
「そうなのよ!
実家が近所でなー。
お父さんと遊ぶのによぅ行ったのよ。
お父さんな〜、10個上で優しくて、お兄ちゃんみたいやったからね〜。
お兄ちゃんって呼んでたわ〜。
本当のお兄は鼻垂らして走りまわってるアホなお兄やったけど。
お兄ちゃんは昔からホンマに落ち着いてたんよ。」
ユーゴ
「ママさんとパパさんは幼馴染なんですね!
素敵〜!!」
おじいさん
「懐かしいな〜。
こいつが10歳の時やな。
智子ちゃんが生まれて何日か経って、退院してきた日や。
智子ちゃんのこと見て
可愛い!
将来この子と結婚する!
って大喜びで言ってたわ〜」
シゲパパ
「え?それバラすん?」
シゲママ
「あらまぁ〜!お父さんったらもぉ〜♡」
ユーゴ
「パパさんの昔の写真ってないんですか?」
シゲパパ
「俺は持ってへんよ〜。」
おじいさん
「ワシ持ってるわ!
これこれ、これがマオだよ。
今と変わらないやろー?」
のんちゃん
「どう見てもお兄!」
ジェシー
「パパさんすごい変わったよ!
顔も違うけど肩が1番違う!AHAHA!」
シゲ
「オトンがお兄に昔の父さんそっくりや!
…って言うの冗談や思てたわ!
なで肩まで一緒だとは思わんかった。」
シゲパパ
「ほーら、わかったやろ!
タカヒロは俺似や!」
おじいさん
「ハハハハハ!!」
(グスッ)
シゲ
「じいちゃんなした?
ティッシュ、ティッシュ…」
おじいさん
「あひがとな。
いやぁ、幸せやと思て。
ずっと会いたかった息子に会えて。
しかも、生後間もなく一目惚れした智子ちゃんと結婚しててやで?
こんな可愛い孫が3人もおるんや。
偶然やけどここに来れて良かったわ。」
シゲパパ
「父ちゃん…。」
(ガラガラガラ…)
「すいませーん!」
シゲママ
「あ、お義母さんじゃないかしら?
はーい!」
おばあさん
「智子ちゃんしばらくぶりやねー。
ごめんねー、お父さんったら。」
※色々あっておじいさん、おばあさんと帰宅。
一同
「ふぅー。」
シゲパパ
「みんな、ごめんな。
ホンマありがとう。
…嬉しそうで良かったわ。」
シゲ
「いやぁ、ビックリしたわー・・・。
のんちゃん
「ビックリどころやないよ。
あのー、ホンマ頭ついていかんくて感情グチャグチャのままやったけど、じいちゃん喜んでて良かったわ。」
タカヒロ
「ごめん、俺は全部知っててん。」
シゲパパ
「お母さん、ごめんな。
今まで秘密にしてて。」
相葉
「あ、明日の買い出ししなきゃ…
お豆腐作るのにニガリ欲しかったんだよね〜。」
ユーゴ
「あ、ウチも明日の朝食べるものないから買い物して帰らなきゃ。
ジェシー、そろそろ帰ろー。」
ジェシー
「お邪魔しました〜。」
シゲパパ
「みんなも、聞いてもらってええか?」
「あ、はい。。。」
シゲ
「まぁ、さっきは急ぎやったから説明がザックリやったよな。
父ちゃん、ちょっと改めて聞いてええか?」
シゲパパ
「うん。
さっきも言った通り、俺は…
ホンマは…生まれたときの名前は…
金一郎やなくてマオや。
せやからさっきの人はホンマに俺の父さん。
タカヒロも、ダイキも、のんちゃんも。
みんなあのじいちゃんの孫や。
さっきまでは俺が息子のフリして、みんなにも合わせて貰おうと思ってた。
墓場まで持っていく秘密にしておこうと思ってたんやけど。
さっきお母さんが実家に電話したとき。
父さんが重度の認知症になってること、
しかも悪い病気で余命1年やってことを聞いたらしい。
多分、みんなと会えたんは今回が最初で最後やと思う。
って思たら、みんなにじいちゃんのこと、家族やと思って過ごして欲しくて。
それで正直に話すことにしたんや。」
シゲママ
「・・・・・・。」
シゲパパ
「22年前、行方不明になったっていう頃に俺は全身整形して、顔も身長も…なで肩も全部変えた。
改名の手続きをして名前も変えた。
今までの自分を捨てて、
まったく違う人間に生まれ変わって…
生まれ変わった気持ちで、生きていこうって決意して今日まで生きてきた。
そのために。
親は早くに死んだ、
家は火事になって写真とか残ってない
…ってみんなに言ってた。
それはウソや。
この通り、両親健在やしちゃんと実家はある。
写真は自分の手元に1枚もないだけで、全部実家に置いてきてるだけや。
ウソ付いててごめんな。」
のんちゃん
「なんで?
なんでパパは…そこまでして。
自分を偽って生きてきたん?」
シゲママ
「私が…お兄ちゃんのことフったから?
私のせいなんでしょ?
だからお兄ちゃんはそこまで…
ごめんなさい…。」
シゲパパ
「お母さんは何も悪ない。
フラれたんは高校卒業して東京の大学行くときやから、行方不明になる4年も前や。
これは俺が勝手に思いつきで始めたことや。
ホンマ、若気の至り…どころじゃないな。
若くてもこんなこと誰もやらんやろな。
でも、1度始めたら後戻り出来んくなっていった。
俺が大学卒業する間近に智子の父ちゃんが亡くなって。
そん時、智子の家族みんながホンマに困ってるって聞いた。
自分が絶対助けたい、守りたいって思うたんや。
大学辞めて大阪に戻ってきたんはええけど、今の自分のままでええんかな?って。
自分に自信が持てへんかった。
智子のよく知ってる、お兄ちゃんの姿で再会するのが怖かった。
それで、智子がお気に入りやった近所のおまわりさんに容姿を似せたら自信つくかなって思って最初は顔だけ整形した。
でも、バレたくない。
自分をもっと隠したい。
そうすればもっと自分に自信が持てるかもしれへんって、結局は全部変えた。
大阪帰って3年後には警察学校に行って警察官になって、完全に近所のおまわりさんと同じになった。
近所のおまわりさんは智子に優しくなかったけど、俺は優しくした。
その後も智子には何回かフラれたけど、ここまでやったから後戻りは出来へん!
って気持ちで何回も告白して。
ようやく結婚できた。
俺アホやからさ。
他に方法が思いつかんくて。
ウチの両親にはかなり苦労かけた。
ここまでして結婚したんやから、その代わり家族大切にせなあかんと思って今までやってきた。
子供たちは不自由なく育てたいけど智子の実家に仕送りしたいと思って、仕事もとにかく頑張って…出世も出来る限り頑張ろうと思うて警部までは上がれた。
ノンキャリアならこれが限界や。
刑事やってたときは頑張りすぎて死にかけること何回もあったから、家族のためにも元気で居らなアカンと思って刑事はやめて交番に異動したんやけどな。
…そういうことやから。」
シゲママ
「…お父さん、話してくれてありがとう。
あのな、何か薄々そうやないかなとは思ってたの。
でも、聞けなかった。
お父さんが秘密にしてるから、知らないフリしてたの。」
シゲパパ
「智子、我慢させてごめんな。
考えてくれてたのに、俺気づかんかった。」
シゲママ
「お父さんの目の前ではお父さんをたくさん愛していられるから。
仕事で居らんときに、ふとお兄ちゃんのこと思い出すことはあったけどな。
私。
ホンマはずっと、ちっちゃいときからお兄ちゃんのこと大好きやってん。
でも、親友の桐子ちゃんもお兄ちゃんのこと好きやったから…
私諦めようと思ってフっちゃったの。
お兄ちゃんが大学に行ってからもずっと、忘れられんかった。
ずっとお兄ちゃんのこと考えてた。
後悔もいっぱいした。
4年経って、私が中学1年のときね。
私のお父さんが急に死んじゃって。
それでお母さんは私たち4人兄弟を育てるために働きに出ないと行けなくなったの。
1番下の弟がまだ生まれたばっかりやったから私は弟の面倒見るために学校行かんようになって。
それは良くない、義務教育なんやから授業には出たほうが良いって言ってくれたのがお父さんで。
私が中学卒業するまでの間、家族が帰ってくるまで弟の面倒見ててくれたの。
私たち家族、ホンマお父さんに救われたのよ。
中学卒業して、お父さんにプロポーズされたときはホンマに迷って、何回かフっちゃったの。
どこかでお兄ちゃんのこと考えちゃってな。
私、ホンマはあのときお父さんのこと大好きやったの。
好きなくせにいつも告白されたら色んなこと考えてフっちゃって。
いつも自分の気持ちに素直になれなかった。
でもお父さんがそのあとすぐ警察学校に行って1年弱は会えなくなっちゃって。
あのときホンマ寂しくて。
お兄ちゃんが行方不明やって知ったのもその頃やったわ。
私がフったから、大好きな人とまた会えんようになると思ったら怖くなって。
お父さんが警察学校卒業したその日にまた告白されて、そのときやっとお付き合い出来て。
私が19になってから結婚したの。
お父さんは結婚してからも家族のために一生懸命で、涙が出るほど優しくて。
ホンマに大好きになっちったんやけど。
やっぱり心のどこかで行方不明になったって聞いたお兄ちゃんも心配で。
なんか二股かけてるみたいでお父さんにもお兄ちゃんにも申し訳ないし私もすごい嫌やったのね…
同じ人で良かったわ!
お父さん、教えてくれてありがとう。」
(ぐすん)
シゲパパ
「秘密にしててごめんな、ホンマにごめんな。
しんどかったな。
気づいてあげられへんでホンマにごめん。」
シゲママ
「ふふふ。
お父さん、だーいすき♡」
シゲパパ
「俺も♡大好きやで♡」
ジェシー
「AHAHAHAHA!」
ユーゴ
「おい!」
ジェシー
「ごめーん!
前から凄いラブラブだったけどさー!
更にラブラブになってていいじゃーん!
って思って!
AHAHAHAHA!!」(涙目)
ユーゴ
「って笑ってる割に泣いてるんですけどw
なんなのお前w」
(一同、爆笑)
ジェシー
「感動しちゃって〜!
僕こういう話ニガテだよ〜(泣)」
シゲパパ
「ジェシー。
ジェシーは凄く優しいから、多分優しすぎるがあまりに大切な人を傷つけないように、悲しませないように、嫌われないように、色々気を遣ってると思う。
時にはヒミツにしたり、簡単なもんでもウソついたり。
でもなぁ。
言わないことで相手を悲しませていたり、わだかまりを残していたり…そういうことって意外とあるのかもしれんな。
正直に言った方が相手にとって良いことってあるのかもしれんよ。」
シゲママ
「そうね。
お父さんやて、ずっとヒミツにしててもツラかったやろ。
しんどいことは分け合わんと!
私たち家族やろ?
お父さんがしんどいと私もしんどい!
早よ言って欲しかったわ!」
シゲパパ
「ホンマごめんな!
ジェシー。
元々魔物だったのが人間として暮らすってホンマ難しいと思うけど、
まぁ、ジェシーなら大丈夫やろ!
自分の大事な人をいつも側でよく見ている君なら。」
ユーゴ
「あぁ(笑)
ジェシー、スゲェもんな。
本当、俺が半透明になって見えてんじゃねぇかってくらいよく見てる。」
シゲ
「ホンマそれな!」
ジェシー
「AHAHAHAHA!
勉強になりました!」
シゲパパ
「あとな、親はいつまでも元気な訳やあらへんで。
元気なうちに会っといた方がええよ。」
ジェシー
(ギクッ!)
ユーゴ
「ふははは!
ほら?今まで俺も散々言ってきただろ?」
ジェシー
「うーん。どうしよう*÷¥€#$」
相葉
「どんどん声が小さくなってるよ!」
ジェシー
「今度!今度ね!!
ヒミツは近々教えるとして、親に会うのはもうちょっと…。
ウチの両親、あと5000年は死なないはず!」
タカヒロ
「年齢が人間と違いすぎるw」
ジェシー
「ところでさぁ。
人間ってみんな歳を取ったら、パパさんのパパみたいになるの?」
シゲパパ
「そうやないか?
物忘れしない方が珍しいやろな。
ガンは2人に1人はなるって言うし。」
ジェシー
「僕は人間より寿命が長いから…
大切な人みんなが僕のこと忘れちゃったり、悪い病気でツライ思いしていくのを見ちゃうのかなと思って。」
のんちゃん
「ジェシーのこと忘れる奴いたら逆にスゴイけどな!」
相葉
「ほんと!1回会ったら忘れられないでしょ!」
シゲママ
「大切な人がツライときはジェシーが支えてあげたらええやん!
全員見届けちゃうことにはなると思うけど、大勢の人が最期はジェシーに支えてもらって良かったって思えるんじゃないかしら。」
ジェシー
「そうなればいいなぁ。」
ーーー
相葉
「良かったー!
このニガリで豆腐作ったら美味しいんだよねー。
これで暫く困らないぞー!」
ジェシー
「卵安かったねー!」
ユーゴ
「ふはは。本当よかった。
明日は卵かけご飯だな♪
美味しい卵かけご飯の作り方、前に」
(クンクンクン)
ジェシー
「この近くに魔物がいる。」
相葉
「え?」
ユーゴ
「だって夜だよ?
魔物の活動時間じゃなくね?」
ジェシー
「どこにいる?
(クンクン…)
匂いが弱いし周りがフェロモンだらけで探れない。」
ユーゴ
「魔力まだたくさん必要なんじゃね?
俺からいっぱい抜いて増幅したら?」
ジェシー
「そうだネ。
ちょっと貰うネ。
あ、この匂い…!!」
ユーゴ
「う、、、はぁぁぁ。
じぇ、じぇし、や、やばい・・・」
(バタッとジェシーの方に倒れ込んでくるユーゴ)
ジェシー
「ユーゴ?ユーゴ!?」
相葉
「ユゴちゃん?大丈夫?」
(続く)
0コメント