のど飴戦士アイバチャンSeason10 【第9話】








※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
※物語に登場するのど飴の名称は実在のものを使用していますが、効果・効能に関しましては実在のものとは異なります。
※本作品では血液を扱う場面があります。
血液は感染の危険性も伴うものであることから、衛生上真似をしないようお願い致します。
(因みに、登場キャラクターは肝炎等の感染症はありませんのでご安心ください。
健康診断の結果、お菓子の食べ過ぎによる脂肪肝だけでした。)

あらかじめご了承ください。



















@重岡家










(ガタガタガタ…)



























シゲ
「ん?今日って風強いんやったっけ?」








シゲパパ
「風の割に強ない?
まさか地震ちゃうよな?


みんな、とりあえず押し入れに入るか。」












シゲママ
「そうね、お父さん。
なんかよくわかんない感じやからね。
ちゃぶ台の下に5人は隠れられないし。


のんちゃん、ママのとこおいで。」













のんちゃん
「はーい。」
(ママに抱っこされる大きな3歳児)















シゲ
「ほれ、タマもな。」











タマ
「にゃー。」
(はいよー。)
(抱っこ)













タカヒロ
「最近変なこと多いな〜。」















(ガチャン!)













シゲママ
「あら、お庭の植木鉢割れちゃったかしら?」














シゲ
「あぁ、せっかくお母さんガーデニング頑張ってたのに。」











シゲママ
「また頑張るからええのよ。」


















のんちゃん
「・・・ユーゴ君、大丈夫かな?」












シゲ
「のんちゃん優しいなぁ。よしよし。

ユーゴ君はヒーローの家にお泊まりしてんで。

大丈夫や。」
























@役場職員の住む部屋のベランダ













ユーゴ
(・・・・・・。















だ、だれ?



に、人間・・・っぽいけど違うよね、多分。)


























「ヤット・・・ミツケタ。


ボクノ、アイスル、ユーゴ。


モウ、ニドト、キミヲ・・・

















ハナサナイ!」




















(ガシッ!)


















ユーゴ
(痛い!何するの!?








!?











もしかして、この人が・・・










ジェシー君!?












あ、やばい。



このままだと連れてかれる!!)














悪魔化したMr.ズドン
「ユーゴ。アイタカッタ。

ズット、アイタカッタ。

カエロ、イエニ、カエロウ。

ズット、イッショニ、イヨウ。」





















(Mr.ズドン、ユーゴの顔に顔を近づける。
ユーゴの頬に鼻息がかかる。)























(嫌ーー!!!)




















「ケンダマジック」




















(けん玉でMr.ズドンへ姿を戻したジェシーを拘束)
















Mr.ズドン
「グ、グ、グガガガ…。




ウゴケナイ・・・。」














(ユーゴ、Mr.ズドンの手を振り払いベランダから落下。
木の枝に引っかかりながら落ちた。)















(ガサガサッ)














ユーゴ
(うぅ。)













ヤッターマン

「ユーゴ君!

そのまま逃げろ!

とにかく遠くへ!



こいつは素早いから!

容易に追いつかれる!





早く!」
















ユーゴ
(は、はい!

ヤッターマンさん!!




あれ?役場のお兄さんは…?)




































(ハァハァハァ…。)














Mr.ズドン
「ボクノジャマ、スルナ。

ユルサナイ。」















ヤッターマン
「クソ、絶対逃がすか。




ケンダマジック!」











Mr.ズドン
「ウゥ…。

ジャマ、スルナ。
ボクノ、アイスル、ユーゴ、ニガサナイ。

コノヒモ、ナントカシロ。」














































ユーゴ
(ハァハァ…ハァハァ…)











(苦しい、もうダメだ・・・。





こうなるってわかってたはずなのに、





俺、分かってたつもりで、
全然分かってなかったんだ。









結局、役場のお兄さんを巻き込んじゃった。







困ってるとき助けてくれたのに。













ハァハァハァハァ・・・。
















相葉さんの飴、貰ってきておけば良かった。















もう・・・限界・・・。)















(バタッ!)
しゃがみこみ、うつ伏せに倒れ込む













 












あぁ、俺。





この綺麗な桜の木の下で死んじゃうのかな?






父さん、母さん、兄ちゃん。







ちょくちょくテレビ電話はしてたけどさ。







最期に会いたかったよ。







ごめんね。。。










































アイバチャン

「ユゴちゃん!!


無事だったんだね!良かった!」















ユーゴ
(アイバチャンさん!





あの、あのー!!




役場のお兄さんが!

どっか行っちゃったの!

先に逃げてたらいいけど…助けてあげて!

俺はもういいから、お兄さんを!







あー、声が出ない!!



何でこんなときに!)














アイバチャン
「ヤッターマン…
役場のお兄さんから聞いたの。




ジェシー君が来たって。」










ユーゴ
(お兄さんがヤッターマン!?

ヒーローなの??

じゃあ、さっき助けてくれたのが…)










アイバチャン
「今ね、お兄さんがジェシー君を食い止めてくれてるんだけど、かなり魔力が強いみたいで抑えられるのも時間の問題だって。







ユゴちゃん凄いね、頑張ったね。
結構遠かったはずなのに、ここに来れたんだもん。




しかもね!
偶然かもしれないけどさ、おれ、卓巳くんにユゴちゃんをここに隠してって言われてたんだよ。」






















(Mr.ズドンの声が遠くで聞こえる)





















Mr.ズドン
「ユーゴ…ユーゴ…。





ドコニイル…。」















(息を殺して桜の木の影に隠れるユーゴ)















Mr.ズドン
「ユーゴ…ユーゴ…。



ハヤク、デテオイデ。」















ユーゴ
(早い、もう近くに来た。)




















Mr.ズドン
「ユーゴ・・・ユーゴ・・・。




アイタイ、アイタイ・・・。」
















アイバチャン
「悪魔に洗脳されてるはずなのに。


ずっとユゴちゃんのこと呼んでる…






やっぱり…。

卓巳くん言ってたの。

悪魔の魔力が入り込むことでジェシー君の魔力が呼び起こされるから完全には洗脳しきれないんじゃないかって。






ほら、やっぱり。
ジェシー君の理性が悪魔に負けてない。








もしかしたら、魔力同士が打ち消し合う可能性もあるかも、って。







悪魔の魔力も、ジェシー君の魔力も、どっちも消せれば一番いい。







もし難しければ、ジェシー君の魔力を強くできれば悪魔の魔力に打ち勝てるかもしれない。











おれ、ジェシー君のところに行ってくるから隠れてて。
絶対ユゴちゃんも、ジェシー君も、助けるからね。」
















ユーゴ
(え、アイバチャンさん…!!
こわい、行かないで。)














アイバチャン

「ジェシー君!!」















Mr.ズドン
「アイバチャン…ユーゴ、ドコダ。」











アイバチャン
「ジェシー君、ごめんね。

ジェシー君が悪魔に洗脳されている内は絶対に教えられないの。」












Mr.ズドン
「ボクハ、センノウナンテ、サレテイナイ。

タダ、アイスル、ヒトヲ、トリモドス。

ソノタメニ、ツヨクナッタ。

ボクハ、ユーゴト、イッショニ、カエル。

ズット、イッショニ、イタインダ。」











アイバチャン
「ねぇ、ジェシー君。気づいて。



このままならユゴちゃんを意図せず傷つけるかもしれない。


ジェシー君はそんなこと望んでないでしょ。



ユゴちゃんのこと、大切に守ってきたんでしょ?」










ジェシー
「ユーゴ、コノチカク、イルノカ…





ユーゴ、ニオイ、カゼニノッテ…









ワカラナイ。
キ、オハナノ、ニオイ。ツヨイ。」












ユーゴ
(そっか。
俺から出てる、魔物を引きつける匂いが花の匂いに似てるから。

だから卓巳先生は桜の木の下に隠れてるようにって言ったのか。)











アイバチャン
「ジェシー君、ごめんね。






味覚トゥ!」

(飴を口元に投げる)










Mr.ズドン
「コンナモノ、イラナイ。









ズドン!!!」











アイバチャン
「うわっ!




強い、強すぎる…




前に戦ったときと比べ物にならない。」













ヤッターマン
「アイバチャン!大丈夫か!!」











アイバチャン
「うん、何とか。


受け身は取れたからダメージはあんまり受けなかった。


新しい変身スーツも凄いよ!
すとーんずのみんなから貰った布のおかげ!」













ユーゴ
(あの布、役に立ったんだ!)











アイバチャン
「ヤッターマン。
ジェシー君、前よりかなり強いよ。」








ヤッターマン
「悪魔の力なのか。
ユーゴ君への愛なのか。」









アイバチャン
「飴も舐めてくれないの。」













ヤッターマン
「飴を舐めてくれる方法…



飴以外で魔力落とせるものがあればいいんだけど…」










Mr.ズドン
「ヒーロー、マトメテ、タオス!

ジャマ、サセナイ!!








ズドン!!!















(バキバキバキバキ!)












アイバチャン
「地割れしちゃった。」









ヤッターマン
「このままならマズイ。

町ごと潰される。」









Mr.ズドン
「ニオイ、ニオイ。ドコダ。」











アイバチャン
「味覚トゥ!」









(木の小枝にぶつける)












(ガサガサガサガサ)










ヤッターマン
「花を揺らして匂いをカモフラージュ作戦?」








アイバチャン
「うん、時間稼ぎ。

ヤッターマンはジェシー君をお願い♡」















Mr.ズドン

「ズドン!」












アイバチャン
「ちょっ!また地割れ💦

むやみやたらに攻撃しないでよ💦」






















ユーゴ
(俺、このまま隠れてるだけでいいのかな。



みんな、俺のためにこんなに一生懸命やってくれてるのに。




ただ隠れてるだけ?





楽しくて、賑やかで、優しいこの町が壊されていくのを見てるだけ?






俺、そんなのヤダ。






でも、みんなこんなにしてくれてるのにあっさり捕まってもいいのかな。













あ、なにこれ。







何かの破片が落ちてる。







あ・・・これ。





重岡さん家のお庭にあった植木鉢だ。

割れちゃったんだ。






痛っ。指先切れちゃった。











あ・・・待って。

何か思い出せそう。。。)




















(回想)



























「ユーゴ♡おはよう♡」











(おはよう。)











「今日も愛おしいね。


朝から一緒にいられるなんて、僕はなんて幸せなんだ。」










(お前は相変わらず朝から賑やかだね。

そんな元気なら朝ごはん作るの手伝って欲しいわー。)












「えー、料理は苦手だよー。


僕の朝ごはんはユーゴでいいよー。


食べちゃいたいくらい愛おしい♡


でも食べた瞬間からずっと会えないのはすごく嫌だね!




AHAHAHAHAHA」














(一つ言っていい?



俺の血は味覚糖のど飴たくさん舐めてた影響で、魔物にとっては猛毒で、

致死量の何百倍だって。

ほら、前に卓巳先生言ってただろ?

俺を食べた瞬間お前も危ないんだぞ。

少しだったらのど飴程度の効果みたいだけどさ。











痛っ、指ちょっと切っちゃった。)













「ユーゴ!

大変だ。すぐに治してあげる。」














(おーいおいおいおいおい!💦

だーかーらー!
今言ったばっかじゃん!

指舐めて治そうとしたらダメだって。

危ないから!!


舐めたところでお前そんな特殊能力ないじゃん!
俺の怪我なんてほっといたらすぐ治るのに!)
























@現在・桜の木の下










ユーゴ
(ジェシー君、危ないかもしれないけど。

他に、方法がないかもしれない。)












植木鉢の破片を持ってMr.ズドンの元へ走っていく












アイバチャン
「ユゴちゃん!だめ!隠れてて!」











ユーゴ、植木鉢の破片で自分の左腕を切りつける














ジェシー
「ユーゴ、チ、デテルヨ。


タイヘン、ナオサナキャ。」












(シュー・・・)














ユーゴ
(やばい、傷が勝手に治りだした。



お願い、もうちょっとだけ待って。)






























ジェシー
「ハァ。ボクノ、タイセツナ、ユーゴ。

ヤット、アエタ。

ズット、ズット、アイタカッタ。

アイシテルヨ。


















ウ…ウゥ…。


グハハハハハハ。」















(Mr.ズドン、左手でユーゴの首を絞める)













ユーゴ
(く、苦しい。やめて。
さっきまでの、ジェシー君じゃ、ない。)















Mr.ズドン

「AHAHAHAHAHA…」













(Mr.ズドン、右手で石を拾う。

その石でユーゴを殴ろうとする。)













アイバチャン
「だめ!」










(アイバチャン、Mr.ズドンの右手を押さえる)












ヤッターマン
「ケンダマジック!」














(けん玉で右腕を縛る)












Mr.ズドン

「AHAHAHAHAHA…」














(勢いよくヒーロー達を振り払う)















ユーゴ
(あ・・・もうだめだ。)
























(ガン!)















アイバチャン
「・・・・・・。

















!?















どういうこと?」















ユーゴ
(あれ、俺。生きてる。全然痛くない。











・・・・・・え?)
















Mr.ズドン
「ユーゴ、ボクガ、マモル。


ゼッタイニ、マモル。」


















(Mr.ズドン、右手で持っていた石を自分の左腕に叩きつけて血だらけになっている。

左手をユーゴの首から手を離している。)















ユーゴ
(ジェシー君、俺のためにこんな・・・。

悪魔から俺を守ってくれたの?)

















Mr.ズドン
「カワイソウニ。

クルシカッタネ。イタカッタネ。




ウデノケガ、スグニナオシテアゲル。」















ユーゴ
(先にその怪我を治したいね。

かなり重傷じゃん。)
















(Mr.ズドン、まだ少し血が出ていたユーゴの傷を舐める。)














Mr.ズドン
「ゴホ、ゴホ、ウゥ・・・。」













ユーゴ
(ジェシー君、ごめんね。



これで魔力が落ちてほしい。)













(シュー・・・)









ユーゴとジェシーの怪我が治っていく














Mr.ズドン、無力化
「んー。ユーゴ?

ここにいたの?

ダメだよ。ずっと僕のそばにいてよ。

愛してるよ。」










アイバチャン
「あ、いつものジェシー君に戻った!」













ヤッターマン
「目の色は赤くなくなったけど、赤髪だね。

悪魔の魔力がなくなって、ジェシー君の魔力だけが少し残っている状態なんだろうね。」











アイバチャン

「もぉー!良かった!!」













(続く)

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