のど飴戦士アイバチャンSeason11 【第0話ー前編】






※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
また、体質についての記述については医学的根拠は一切ございません。
あらかじめご了承ください。






























































(シャーーーーーーーーー………)




































(キュッ、キュッ、)


























(ガラガラ…)








































ジェシー
「ユーゴおはよう。」















ユーゴ
「ふぁ〜。



ジェシー、おはよう。」
















ジェシー
「ごめん、起こしちゃった?」














ユーゴ
「いいやぁ〜。暑くて寝苦しかったから。








ジェシー、今日は起きるの早いじゃん。
俺より早いなんて珍しいね〜。」














ジェシー
「うん。まぁね。

僕も寝苦しかったから。」













ユーゴ
「あー、かゆい。かゆい。





寝てる間に蚊に食われてるわー。








蚊取り線香炊いたのに!!」




























ユーゴ
「ジェシーは今日大丈夫?
いっつも俺より食われてんじゃん?」















ジェシー
「今日は大丈夫みたいだよ。
こないだのところも治ってるし。」












ユーゴ
「いいなぁ。治るの早いわ〜。


俺さ、怪我はウソみたいに早く治んのに、何故か蚊に食われたところは今までと変わんねぇの。全然治んねぇ〜。」






(ペチペチ)








ジェシー
「ほらほら、かゆいかもしれないけどあんまり叩かないの。

ほら、赤くなってる。」










ユーゴ
「朝ごはん、今から作るから待ってて〜。





(ペチペチ)









あちぃ〜。あっちぃ〜。









(ピッ、ピッ、

カチカチカチカチ…)










えぇ?エアコン壊れた?







うわぁ〜最悪。ついてねぇわ。








ごめん、先にササッとシャワー浴びてきていい?
暑すぎてムリ。」


















ジェシー
「急がなくていいよ。ありがとう。
紅茶淹れておくね。」

























ユーゴ
「サンキュー!
勿論アイスティーな!」












ジェシー
「はーい。」












ユーゴ
「ジェシー、どうした?
今日は元気ないというか、落ち着いてるというか。
まだ眠いの?寝てくれば?」















ジェシー
「いいよ、もう起きる。
今日は予定があるんだ。




あのさ…ユーゴにも来て貰っていい?」



















ユーゴ
「いいよ〜。
今日は講義ないし、バイト休みだし。」








ジェシー
「せっかくの休みにごめんね…」






































@数時間後…











(ミーンミンミンミンミンミン…)

















(ザッ、ザッ、ザッ、ザッ)


















ユーゴ
「セミすっごい鳴いてる!
捕まえられるかな?




それにしてもすげー山道。
こんな道見たことない…。








ジェシー、マジでこの道で合ってんの?」













ジェシー
「大丈夫だよ。こっち。

足元気をつけてね。」












(ジェシー、ユーゴに手を差し伸べる)













ユーゴ
「こういうときにサラッとエスコート出来る男ってカッケーな〜。



今度機会があったら真似するわ。











ふははははははw












あ、道が開けた〜。


本当だ〜、よかったぁ〜。










着いた〜。















墓参りか〜。
そうだよね、お盆だからね。
ご先祖さまにあいさつ・・・















って!

ジェシーのご先祖さまって人間!?」















ジェシー
「違うよ。
僕は先祖代々魔物だよ。」
















ユーゴ
「ビックリしたぁ。

じゃあこのお墓は・・・。








まさか・・・
















お前の元カノじゃないよな?

こないだみたいに修羅場になんのかな〜💧」










(※先日ジェシーがユーゴをベッドに押し倒して襲いかけた際にたまたまユーゴの家族が来て現場に遭遇し、とんでもない目に遭いました。)
















ジェシー
「元カノではないけど。







修羅場は覚悟しといて、ね?」















ユーゴ
「え、そんな感じ?






…まじか。







わかったわ。覚悟しとく。」












ジェシー
「ほんとに覚悟しといてくれるんだ。」













ユーゴ
「まぁね。
変質者に狙われたときもそうだけど、変質者が逮捕されて以降も大学とバイトの送り迎えしてくれて俺のこと守ってくれてるから。




なんかあったら頑張って助けるわ。






そのくらいやって当然だろ?」














ジェシー
「ありがとう。
本当に危ないと思ったら逃げてよ?
ユーゴのことは絶対に守りたいから。」
















ユーゴ
「ジェシー?



やっぱり今日は何か変だね。」














ジェシー
「そうかな?」










ユーゴ
「キャラ変したの?





確かにお墓の前でってのも不謹慎だけど、









俺今日1回もハグされてないし、
キスされそうになってないし、
頭撫でられてないんだけど。」















(ユーゴ、不思議そう)













(パン!)












ユーゴ
「わぁ!なんだよ!」














ジェシー
「蚊、飛んでた。


ユーゴのこと守るからね。














ねぇ、ユーゴ。」














ユーゴ
「おぅ、なによー?」















ジェシー
「お墓参りちゃんとやりたいからさ。







教えてくんない?」









 







ユーゴ
「オッケー!
そっか、初めてなのか!」










ジェシー
「先月一回来たんだけどね。

難しくて・・・。」











ユーゴ
「うん。えーっとね。













正しいお墓参りのしかた


※親族以外のお墓の場合






1.初めてのお墓参りのときは事前に親族へ連絡しておきましょう。

一度許しを得たら2回目以降は毎回連絡しなくてもいいです。







ジェシー
「親族の連絡先がわからなくて連絡してないよ!どうしよう。」











2.次はお掃除についてだね。

親族のお墓だったら綺麗に掃除するんだけど、親族以外はそこまでしなくていいみたい。
落ちてるゴミを拾ったり、花立てに枯れたお花があったら片付けて掃除したりはしましょう。









ジェシー
「汚れたところにお花入れたくないからね。

ゴミ拾うだけでいいんだ。
とは言ってももうちょっと掃除したいな。」








ユーゴ
「故人への気持ちがあればいいんじゃないかな?




掃除に使うバケツや雑巾、柄杓などは管理事務所に行けば貸してくれるよ。」













3.お花やお供物を備えます。

お花は左右対称に。
1束の本数は少なめで3.5.7本ずつなど奇数で飾るのが一般的です。












ジェシー
「お花とお供物ね。持ってきたよ。」












ユーゴ
「おはぎ、大福。

にじゅうまる◎です。



仏様はあんことか和菓子が好きなんだって。





良かったー。
ハンバーガーとかピザだったらどうしようと思った。笑笑」













ジェシー
「確かに、僕は好きだけどね。




お花の本数も決まりがあるんだね!

全部2本とか4本ずつ持ってきたから左右のバランスはとれるね!」











ユーゴ
「お花は…まず仏花ではないのね。
菊とか。






これベランダから取ってきたろ?














ジェシー
「うん、僕が育てたお花たち。

ごめんね、ユーゴより先にプレゼントすることになっちゃって。」












ユーゴ
「そう言う問題じゃねーんだけどさ。



でもジェシーらしくていいね。



毎朝一生懸命話しかけながらお水あげて育ててたお花だもんね。







量、ちょっと少ないかな。

ちょっと管理事務所行って見てこようか?
多分仏花売ってると思う。
そのお花に持ってきたお花足そうよ。







線香とか、他に足りないものある?」














ジェシー
「線香とろうそくはあるよ。
火付けるのにマッチもある。」











ユーゴ
「じゃあお花だけでいいね。」






















(数分後)








ユーゴ
「買い物を終えて戻ってきました。」










ジェシー
「たくさん売ってたね。
事務所に行ったら何でも揃ってるから安心だよ。」










ユーゴ
「ジェシーは数珠も買ってました。
そうだよね、持ってなかったよね。」














じゃあ次ね。






4.ろうそくに火をつけて。線香に火をつけて、線香立てに入れます。

線香立てじゃなくてお皿タイプの場合は、お皿の上に寝かせて置きます。




















(合掌)




















ユーゴ
「お墓参りの流れわかったかな?」
 















ジェシー
「・・・・・・。(合掌)










ん?なんか言ってた?」













ユーゴ
「いやぁ、なんでもないかな。





















ユーゴ
「お墓参りはまだ終わってないのよ。
片付けて帰るまでがお墓参りだからね。」















6.お供物は食べるか持ち帰る、お墓には置いて行かないでね。

お花は置いて行ってもいいけど、ダメって決まりの墓園もあるからルールに従いましょう。
※ここの管理事務所にはオッケーって張り紙あったよ。












ジェシー
「よし、じゃあ行こうか。」










ユーゴ
「忘れ物ないかな?」















(ユーゴ、立ちくらみがしてよろめく)














ジェシー
「ユーゴ、大丈夫!?」











ユーゴ
「暑いから脱水でも起こしたかな?」












通行人のおじいさん
「お兄ちゃん大丈夫か?」


通行人のおばあさん
「暑かったからね。」













通行人のおじいさん
「あの、うちの墓に来てくれてたんですか?」









ユーゴ
「あ、ここの方のご親族さんですか…。」










通行人のおばあさん
「ええ。

ウチ、すぐ近所なんです。
ちょっと休んでいってください。」











ジェシー
「ありがとうございます。
助かります。


ユーゴ、立てる?」












ユーゴ
「大丈夫…」










(ジェシー、ユーゴをお姫様抱っこ)










ユーゴ
「ちょ、待って。
歩けると思うんだけど。」










ジェシー
「よろしくお願いします!
さ、ユーゴ。もうちょっとだからね。」











通行人のおじいさん
「こっちです!」




























@近所の家


























ユーゴ
「すみません。
ご迷惑おかけして。」











ジェシー
「ごめんね。
こんなに暑い日なのにお水飲んでって言ってあげなかった。
一緒に来てくれてお参りの仕方も教えてくれたのに。」












おじいさん
「もしかして先月も来てくれてましたか?
あなただったんですね。」











ジェシー
「ごめんなさい・・・。
ごめんなさい・・・。」












おばあさん
「そんな、謝らないで。
息子も喜んでくれてると思うわ。」









ユーゴ
「息子さん、のお墓なんですね。


すいません、どんな方のお墓なのかも知らないで。


友達の知り合いなのかなと思って。」












ジェシー
「息子さん、多分喜んでないです。
絶対。怒ってます…。」












ユーゴ
「ジェシー、どうした?
お前も調子悪いの?
今日は本当におかしいぞ。

本当、いつもはこんなやつじゃないんですよ。




優しい以外は違う人みたい




もっと明るくてポジティブなんです。」











おばあさん
「ジェシー君、ウチの子ね。
ヒーローだったのよ。
魔物と戦ってたの。」












おじいさん
「お前、ヒーローとか魔物って言っても信じられないだろ。」










おばあさん
「そうね。ごめんね。」












ユーゴ
「いえいえ。
僕たちも先日ヒーローの適性試験に合格したんです。
ヒーローが魔物と戦うところは何度も遭遇してます。」










おじいさん
「そうだったのか。」










おばあさん
「ウチの子、21歳のときにヒーローになったんだけど。」












ユーゴ
「俺と同い年だ。」










おばさん
「魔物との戦いで命を落としたの。

ちょうど30年前よ。

生きてたらもう50歳過ぎてたわね。」

















ユーゴ
「・・・・・・。(絶句)







親父と同じくらい。」





















おじいさん
「おい、そんなこと言うのやめないか。
これからヒーローになるかもしれないのに。」











おばあさん
「ごめんね。こんなこと言って。
ヒーローになるならそういう覚悟もしなきゃいけないでしょう。


ウチの子はヒーローであることを誇りに思ってたし、魔物と戦って死ぬなら本望だって言ってたわ。



でもね。親としては…。」






























おじいさん・おばあさん

「No.35531が憎い。」
















ユーゴ
「・・・・・・。


No.35531…。
そんな、まさか…。」
















おじいさん
「そいつに、殺されたんだ。






目撃していた人がいたものの、息子が死んだことで団体に報告が上がらず、悪党図鑑には載らなかった。












去年、ようやく載ったんだ。
大学生の青年に酷い大怪我を負わせ逃亡したと書いてあった…。」











ユーゴ
「その大学生、俺なんです。




このNo.35531って、その…息子さんが戦った魔物と同一人物ですか?
その時から30年間載らなかったってことは、人違い…魔物違いの、可能性だって、、、あ、ありませんか?

そんな・・・。」(涙目)













(正面を向いたまま、隣にいるジェシーの手を握る)

















ジェシー
「ユーゴ。合ってるよ。
・・・合ってるんだ。




No.35531で間違いない。」















ユーゴ
「え?だって。。。
そんな、わけ、ないじゃ、ん。。。
No.35531って。。。え?」


















ジェシー
「ユーゴ、泣くなよ。






パパさん、ママさん、
大変申し訳ありませんでした。











ごめんなさい、ずっと謝りたくて。
でも、ずっと。逃げてました。」














おじいさん
「ジェシー君。
どういうことなんだ?」




















ジェシー
「僕が・・・














No.35531です。」































(続く)



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