のど飴戦士アイバチャンSeason11 【第0話ー中編】
※これはフィクションです。登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
また、人間や魔物における体質についての記述については医学的根拠はありません。
あらかじめご了承ください。
ジェシー
「僕が、No.35531です。
元々魔物でした。
ユーゴに大怪我を負わせた3ヶ月後にヒーローと戦って…人間になりました。
今は人間界で生活して、大切な人が出来て。
自分のしたことの重大さを自覚しとても反省しています。
本当に、本当に、
申し訳ありませんでした。」
(土下座するジェシー)
・・・・・・・・。(静寂)
おじいさん
「・・・すまない。
出て行ってくれないか。」
ユーゴ
「ジェシー、帰ろうな。」(ぐすん)
(バタン!)
ユーゴ
「・・・・・・。」
ジェシー
「・・・・・・。」
(2人でとぼとぼ歩き始める)
ユーゴ
「もうお墓参り来なくていいって。」
ジェシー
「うん。
でも、今年も日を改めてまた来るよ。
今度はまた1人で来るから。」
ユーゴ
「ジェシーえらいね。
俺帰れって言われたら帰るし、来るなって言われたら行かなくなるタイプだからさ。
昔からそうだから、
ホクトにありえない、っていっつも言われてんだ。」
ジェシー
「・・・・・・。」
ユーゴ
「お前さ。
俺をここに連れてきたのって…」
ジェシー
「・・・・・・。」
ユーゴ
「墓参りの仕方教えて欲しかったんじゃなくて、
俺に絶対ヒーローになるなってこと?」
ジェシー
「・・・どっちもだよ。
ちゃんと、謝りたかったんだ。
息子さんにも、パパとママにも。
先月は見よう見まねでやろうと思って行った。
でも、他の人がやってるの見たらすごい難しそうで。
だから失礼のないようにちゃんとお墓参りしようと思ったんだ。」
・・・・・・。
ジェシー
「ユーゴ、怒ってる?」
ユーゴ
「怒ってる。マジで腹立ってる。」
ジェシー
「ごめんね。ごめんね…」
ユーゴ
「・・・そんな大事な話。
もっと早く言えよ。
友達だろ?」
ジェシー
「・・・え?」
ユーゴ
「俺さ、今思えばジェシーのことなんにも知らなかったなと思って。
人間になってからのことと、魔物の体質のことと、誕生日と年齢しか知らない。
友達なのに。
家族のこととかさぁ。
2500年生きてきてどういう暮らしをしてたのかとか。
何にも知らないから。
ジェシーのことたくさん知りたいから教えて欲しかった。
俺は俺で、ジェシーのこと何にも知ろうとしてなかったなと思って。
なんでこんな辛い思い出を抱えてたのに、気づけなかったんだろうって。
スゲー自分に腹が立ってる。」
ジェシー
「ユーゴは悪くないよ!
僕が秘密にしてたから!」
ユーゴ
「…ずっと、あの息子さんのことで悩んでたの?」
ジェシー
「…うん。
僕が人間になって、沢山の人の優しさに触れて、すごく幸せだなって思うたびに、
あの人がもし生きてたら僕みたいに楽しい生活送れてたんだろうかって。」
ユーゴ
「1人でそんなこと考えてたの?」
ジェシー
「うん。」
ユーゴ
「ジェシー、1人で背負うな。
俺に言えよ。
もっと俺のこと頼って欲しい。
そんなに俺が頼りないか?
ジェシーに守られてばっかだけどさ、話聞くぐらいなら俺にだって出来るよ。」
ジェシー
「ごめん。
大切な人に人殺しだって思われたくなかった。」
ユーゴ
「そんなこと言ったってお前。
一度は俺と結婚まで考えたんだろ?
そういう話、秘密にするかよ〜💧」
ジェシー
「…嫌われたくなかったから。
僕のこと、もう嫌いだよね?」
ユーゴ
「いやぁ。嫌いじゃねえよ。」
ジェシー
「なんで?
嫌いにならないの?」
ユーゴ
「うん、ならねぇ。
昔はそういうことがあったかもしれねぇけど。
今は違うから。
お前人間好きだしさ。
自分の力を人間のために使おうとしてるし。
人間のこと…俺のこと…絶対に守ってくれるでしょ?
今日だって…
俺に嫌われてもいいから絶対にヒーローにさせない、って思ってここに連れて来てる。
人のために自分がつらいと思う決断が出来るって、すごいことだと思う。
昔のジェシーはよくわからないけど。
今のジェシーのことならよく知ってる。
だから俺は、ジェシーのこと嫌いにならねぇわ。」
ジェシー
「ユーゴ、ありがとう。」
ユーゴ
「でもさぁ。
なんか今日はいつもと違って大人しいし、ベタベタスキンシップ取ってこないから何か気持ち悪ぃんだよな。
家に帰ったら元に戻って。」
ジェシー
「いいの?hugしても。
人殺しの汚らわしいやつだと思わない?」
ユーゴ
「今までハグしてた奴が今更何言ってんだよ。笑笑」
ジェシー
「そうだよね。ありがとう。」
ユーゴ
「大丈夫、全部受け止めるから。」
ジェシー
「ユーゴは本当に心が強いね。
初めて会ったときからそうだった。
すごく心が強くて、誰にでも優しく出来る。
僕は何度も君に救われてきた。。。」
ユーゴ
「ジェシーいつも助けてくれるじゃん。
ちょっとくらいはお返ししたいんだわ。」
(ガサガサッ)
ユーゴ
「なんの音?
え?ヘビ?クマ?」
ジェシー
「魔物の匂いがする。
こっち見てるかも。」
危ないから下がってて。」
(ジェシー、ユーゴの前に出る)
魔物
「フフフフフフ。
美味しそうな人間どもめ。
おや、1人は魔物の匂いがするし、もう1人は魔力持ちか。
変な奴らだ。」
ジェシー
「僕は魔物だからね。」
魔物
「ほほう、人間に魔力を持たせてるのか。
面白い魔物だ。」
ジェシー
「僕たちに何の用?」
魔物
「そうだね〜。
その後ろの子が欲しいな。
いい匂いがする。
食べるには勿体ないね。」
ジェシー
「断る。」
ユーゴ
「それ俺が言うやつじゃね?」
魔物
「そうだ、同じ魔物同士挨拶がまだじゃないか。
俺は山猫。
この山は俺の縄張りなんだよね
だからここに来た人間はみんな俺が食ってるんだ。
負のエネルギーを食べるためにあえて数人の住民は残しているよ。」
ジェシー
「ユーゴはお前なんかに渡さない。」
山猫
「へー。そいつ、お前の?」
ジェシー
「俺のじゃないけど、絶対渡さない。
ユーゴの身体ははユーゴ自身のものだ。
誰のものでもないし、誰のものにもならない。」
ユーゴ
「それも俺が言うやつだよね?」
山猫
「お前めんどくさい奴だな。
ハハハハハ!
一戦交えようか。
この辺一帯壊して負のエネルギーでも集めることとしよう。」
ジェシー
「絶対そんなこと、させない。
ここは人間の暮らしている人間の場所だ。
のこのこ人間界にやってきた魔物なんかが手をつけていい場所じゃない。」
魔物
「ケッ!魔物のくせに!
お前人間のフリしてるけど、人間の血の匂いがプンプンするんだよ。
食ったわけではないのか。」
ユーゴ
「ジェシー、お前。
人間食ってねぇの?」
ジェシー
「うん。
今まで食べ損ねてたよ。」
ユーゴ
「確かに、俺たちのこと食うって言ってた割にそんなに食欲なさそうだったわ。」
ジェシー
「栄養豊富だから人間食べろって親に言われてたんだけど。
実家で良いご飯食べてたから栄養取れてたんだよね。」
山猫
「ふーーーん。
殺したのは2人か。
2人分の血の匂いがするな。」
ユーゴ
「!?」
ジェシー
「うるさい!
僕が殺したのは1人だけだ。」
山猫
「人間は知らないと思うが、どんなに洗っても、何年経っても、魔物は人間の血のにおいがわかるんだよ。
へー、2人目は1年以内だな。
ずいぶん大量に血を浴びたみたいだ。
匂いの8割型最近のものだ。」
ジェシー
「だから違うって言ってるだろ!」
ユーゴ
「そうか。
ジェシー、落ち着け。わかったから。」
ジェシー
「本当なんだ!
僕は1人しか…!!」
ユーゴ
「わかってるから、大丈夫。
おい、魔物。嘘つくんじゃねぇ!
それかお前の鼻はニセモノか。
大したことねぇな。」
山猫
「は?人間のくせに。
匂いで全部わかるんだよ。」
ユーゴ
「2人目の人間が生きてたら、ジェシーに謝れ!」
(石を拾って殴りかかる)
ジェシー
「ユーゴ危ない!」
山猫
「だっせー!」
(シュッ!)
(ユーゴの腕に攻撃が当たり血が出る)
ジェシー
「お前!ユーゴになんてことを!
許さない!」
「ズドン!」
(ズサッ!)
山猫
HP8000→7000
山猫
「美味しそうな人間の血・・・。
血の方がいい匂いなのか。
このにおい・・・。
・・・・・・!?
まさか、あの出血量で生きてたのか!?」
(シューーーーーーーーーーーー)
ユーゴ
「だから言っただろ。
ジェシーに謝れ。」
山猫
「傷が自然治癒?
こいつ人間だろ?
魔物より遥かに回復が早い。
こいつ。
ここで殺さないと魔界にとって脅威だ。
エネルギーを集めて臨まないと。」
(バァァァァァン!)
ジェシー
「ユーゴ、逃げろ。
ここは僕が抑えるから、この辺の住人を連れて避難して。」
ユーゴ
「ジェシー、まだ魔物になりきってないだろ?1人で大丈夫?」
ジェシー
「もうすぐ魔力を増強し終える!」
山猫
「ほほぅ。
人間に植え付けておいた微量の魔力を取り込んで、少しずつ増強させているのか。」
(バキバキ…)
「ズドン」
Mr.ズドン
「ユーゴ、ココハ、マカセロ。」
(続く)
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