のど飴戦士アイバチャンSeason11 【第8話】
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
また、体質や能力等について医学的・科学的根拠はありません。
あらかじめご了承ください。
回想
@昨夜
ジェシー
「とにかく!
町のみんなには秘密にして!
特にユーゴには!絶対!
ユーゴに言いそうな人にも!
シンタローにも秘密ね!
絶対言っちゃダメ!
わかった!?
現在
@公園・滑り台の上
(ジェシーからのLINEの通知を見る)
ユーゴ
「ジェシー…
お前は一体何を考えてんだろう。」
「おう、酔っ払い。
今日は1人か。」
ユーゴ
「あ、あのときの魔物!?」
魔物
「お前、あの強い魔物と離れててても名前呼んでるんだな。ハハハ。」
ユーゴ
「うるせぇ!」
魔物
「あいつどっかでみたことあると思ったら…ふふふ、そういうことか。
だからあんなに魔力強いんだな。」
ユーゴ
「お前、ジェシーのこと知ってんのか?」
魔物
「教えてほしいか?
あいつの秘密。
教えてやるぜ。
この町の平和と引き換えならな。」
ユーゴ
「それはダメだ!
ジェシーのこと、なんて、知りたくねぇ!
ジェシーが守ろうとしてる秘密なんだから絶対バラすんじゃねぇ!」
魔物
「へー、気にしてる割にそういうこと言うんだ〜。
別に教えたっていいじゃん。
君には特別に教えてあげるよ。
だって君は、
これから死ぬんだから。」
(ズサッー!)
ユーゴ
「うわっ!
間一髪、避けられた…」
これ何回も来たら避けられる自信がない…
(ズサッ、ズサッ!
ズサッ!ザー!)
でも逃げてばっかりいられない、攻撃しなきゃ。
でも、こんなん続けられてたら無理だ。
(ズサッ!)
俺はただの人間だ、
生身の身体にこの魔術が当たって助かるわけがない。
(ズサッ!)
とにかく、今は避けろ、
避けることしか…
(ズサッ!)
攻撃のしかたや傾向を見て、分析するくらいなら俺だって出来るはずだ…
あと20分…相葉さん達が戻ってくるまで凌いで、こいつの弱点の1つでも伝えられたら。
(ズサッ!)
無理だ、避けることしか考えられない…
しかもあと20分なんて体力がもたねぇ!
でも、持たせるしかない。
やるしか…。
やらないと俺はここで死んじゃうんだ。
(ズサッ!)
あ、こいつの攻撃を避けててわかったことがある。
俺の身体。
さっきからずっと心臓バックバクで重苦しいけど、息を長く吐いたら少し楽になった。
足に力が入りやすい…気がする。
思い切り地面を蹴り上げれば早く進める。
深呼吸して足全体を地面につけて力いっぱい踏ん張れば、砂の上でも結構すぐ止まれる。
どれもこれも当たり前のことかもしれないけど、知ってるのと知らないのとでは戦闘中の動き方がだいぶ違う。
無駄な動きを抑えられたら瞬発力が増すはずだ。
あともう一つわかったこと。
こいつの魔術の出し方。
もしかしたら…。」
魔物
「走ってどこ行く?
逃げんのか?
おい、逃げたのかよ。」
ユーゴ
「上だよ!バーカ!」
(遊具の上から魔物目掛けて飛び降りる)
魔物
「痛っ!」
ユーゴ
「その魔術、手から出てたよな。」
魔物
「なんだそれ?は?」
(ユーゴ、ロープを取り出し魔物の手を後ろにまとめて縛る)
魔物
「こんなもの!
全然痛くねぇ…
でも全然解けねぇ!」
ユーゴ
「俺さぁ、縄縛んの上手いらしくて仲間から縄師って呼ばれてんだよね〜。」
縄足んねぇから足は縛れねぇな。」
(魔物を仰向けにして足の上に乗る)
魔物
「ふふふ、俺の魔術は手からだけじゃねぇんだけどな。」
(バァァァ!)
ユーゴ
「うわ、口からも!?
これなら至近距離でやられる!
でもここ離れたらまた逃げられるし。
あ、さっき読んだ本!
一か八か、怖いけどやってみるしか。。。」
「ユゴちゃん」
「ユーゴ!」
「ユーゴ君!」
相葉ちゃん
「・・・・・・。
え?どういうこと?」
(シューーーーーー)
魔物
HP 0、MP 0
ユーゴ
HP 1、MP 3000
ジェシー
「大変!
ユーゴが…。
あ。どうしよう。
そうだ、病院に…急いで治療してもらおう!
ユーゴ、今助けるからね。
絶対大丈夫だから…」
(ユーゴを抱き上げる)
ユーゴ
「ジェシー…
もう大丈夫だから。
病院行かなくていいよ。」
相葉ちゃん
「そんなわけないでしょ!
こんなひどい怪我してるのに」
(シューーーーーー)
ユーゴ
「もう治りました。」
HP200、MP3000
シゲ
「は、早い。」
神ちゃん
「ところでこの魔物は?
ユーゴ君1人で倒したん?」
ユーゴ
「うん…そうみたい。
こないだ俺が、取り逃がしちゃった魔物。」
相葉
「すごい!
ユゴちゃん頑張ったね!
良かった!良かった!」
ジェシー
「全然良くねぇ」
相葉
「無茶するのはよくないけどね。
こんなに頑張ってくれたから」
ジェシー
「昨日の夜から、僕はずーっとユーゴのことが心配だった。
L○NEしても返事どころか既読が付かない。
他の友達にも居場所教えてない。
14時間ずっと町内探してさ。
師匠と神シゲちゃんにも朝から手伝ってもらってたんだよ!
僕はユーゴの無事だけを願ってた。
それなのに、見つけたときには1人で魔物と戦ってこんな大怪我してて。
今回は上手くいったから良かったものの…
上手く行かないで死んじゃってたらどうするの?
魔物は魔力残ってたら体力回復できるけど、人間は出来ないんだよ!
HPなくなったら死んじゃうの!
今は1だけでも残ってたから助かったの!
ユーゴは僕の何が嫌だったの?
何を怒ってるの?
僕は馬鹿だからさ、言ってくれなきゃわかんナイよ!」
シゲ
「ジェシー、こんな怒るんや。」
神ちゃん
「今にも死にそうなくらい心配してたもんな。」
ユーゴ
「ジェシー、心配かけてごめん…
相葉さんも、ダイキくんも、神ちゃんも、本当に…ごめんなさい。。。」
ジェシー
「ユーゴのばかァ!」
(号泣)
翔
「おはよー。
…え?なに?なにこの状況?」
相葉
「しょおちゃん!遅い!」
翔
「待って、約束の10分前!!」
…あぁ〜魔物が出たのね。」
相葉
「家出中のユゴちゃんが遭遇して倒しちゃった。」
翔
「これを?1人で?
結構強そうだけど…」
シゲ
「この本?さっき買うたんかな?
"魔物に襲われる前に読む本"
一般の人間でも魔術はカウンター出来ます。
魔物に襲われた際にご活用ください。
ただし、事前に用意しておくものがあります。
・魔物の匂いがついたもの
(魔物の種族、属性、物の大きさは問いません。
材質は金属製が好ましいですが、布やプラスチック、紙でも可能です。)
①まずは呼吸を整えます。
しっかり呼吸を吐きだしてから、ゆっくり鼻で吸って、口で吐いてを繰り返しましょう。
②あらかじめ用意しておいたものを口に咥えます。
落ち着いた鼻呼吸を継続します。
③魔物が魔術を繰り出してきたら、口に咥えていたものをできる限り吹き飛ばします。
シゲ
「こんな胡散臭い本を信じてやってみたんかな?」
神ちゃん
「カウンターには成功してるみたい…
自分もダメージ受けとったけど。
これ使うたんやない?
お守り!
相葉
「ジェス君からのプレゼントだね。」
翔
「安産?
どういうこと?」
ジェシー
「安全のお守りだよ!
効いたんだね!」
相葉
「漢字読めなくて買い間違ったんだって。
安産と安全(笑)
今のところ…予定はないみたいだからね。」
翔
「そういうことか。笑笑」
神ちゃん
「このお守りは全く無傷やな。」
相葉
「確かこの中に金属入ってたような…」
※入っていたもの
ジェシーがプロポーズに失敗して捨てた指輪
ジェシー
「僕の結界使った方が安全じゃん!」
相葉
「はい!」(挙手)
翔
「アイバチャンどうしたの?」
相葉
「本にもう一個いいこと書いてあります!」
シゲ
「結構信じるやんw」
相葉
「魔物の匂いがついている衣類を身につけておくと他の魔物が寄ってきません!
日中の魔物が活動する時間帯はジェス君の服を着てれば安全ってことだよね?」
ジェシー
「はい!これ着て!今すぐ!
ほら!急いで!
(ジェシーがユーゴの肩に上着をかける)
今日からお出かけする時は僕の服を着てね!
ぜっっっっっったい!だからね!
今日から僕の服は全部ユーゴと共用だから、好きなときに好きなもの着ていいから!
ズボンとかサイズ合わなかったら詰めていいからね!
僕は7分丈でも」
翔
「過保護だね〜。」
(続く)
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