のど飴戦士アイバチャンSeason11.5 【同じ空の下、紡ぐ物語〜小話集⑯】


⑯小話〜ヒーロー見届け人









※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
また、物語に登場するのど飴の名称は実在のものを使用していますが、効果・効能に関しましては実在のものとは異なります。
あらかじめご了承ください。














『じぇすくん、今空いてる?』









ちょっと早く起きた朝。
朝ごはんを終えて、おウチでユーゴとまったりしてたら師匠から連絡が来た。
HEHE、なんだろうねー?









ジェシー
「ユーゴ〜?師匠のとこ行こ〜!」

ユーゴ
「はいよ〜。」










ソファーから起き上がると、かぁいい僕の相棒の手を取って師匠のお店に向かう。












ユーゴ
「相葉さん!おはようございます!」


ジェシー
「師匠〜!おはよぅ…



…HE?E?E?」









ユーゴ
「ジェシー、どうした?」








???
「おぅ!久しぶりやなぁ!」








ジェシー
「お、叔父さん!!」







相葉ちゃん
「やっぱり!じぇすくんと親戚なんだ〜!」







叔父
「こいつ、ウチの甥っ子や!」








ジェシー
「師匠!?どういうこと??
何で叔父さんがここに…?

世界中飛び回っで旅してるはずじゃ?」








相葉
「実はねぇ…」



















@数十年前〜相葉ちゃんの回想







おれがこの町に来たばかりの頃。
東京でヒーローの訓練を終えたばかりだったんだけど、東京での訓練で大きな事故というか、色々大変なことがあったばかりで。







日本一魔物が出る町として知られるこの町に自ら志願して来たはいいけど。






ヒーロー続けるか、辞めるか…
色々と悩んでて。








お店の開店準備しながら考えてたんだよね。










相葉
「メニュー…何にしようかな。
カレー、オムライス、ハンバーグ、ナポリタン…

和食もいいかなぁ?
肉じゃが、天ぷら、おそば、おうどん…

あ、献立提供します!とか?
これいいな…!
いつかは料理教室やったり…。



たいへん、中華がない!

ラーメン、ギョーザ、チャーハン、春巻き…」










料理のことを考えてたらすごく気が楽で。
必死で働いてた。











相葉
「こんなに作るなら材料足りなくなるなぁ。
時間かかるものは事前に作っておかないとすぐ出せないし。
こんな小さいキッチンカーならたくさんは作っておけないし、売れなかったら採算取れない…


どうしようかなぁ。
お店の経営って難しいね。」











そんな時…
川の方から音がした。











(ザバッ…)













相葉
「ま、魔物が出た!?



どうしよう…。
おれが戦わないと…でも…。こわい…。」












ジェシーの叔父
「兄ちゃん顔コワイなぁ。
しかも顔色悪いで?大丈夫なん?」











相葉
「あ、ま、魔物さん。
人間に悪さしないで…お願い…
そのまま魔界へ戻って…お願い…お願い…。」







魔物を目の前にしたら急に怖くなっちゃって。

戦うなんて無理で、ただひたすらお願いすることしか出来なかった。










ジェシー叔父
「まぁ、ゆっくり食事でもしようや。
ここ、ごはん屋さんやろ?」









相葉
「あ、はい。」










ジェシー叔父
「これがメニューか。

せやなぁ、人間のごはんって何食べても美味いけどなぁ…。

ハンバーグにしようかなぁ〜。

これめっちゃ好きやねん。」









相葉
「は、はい!」











@数十分後







相葉
「お待たせしました!
ハンバーグです!」












ジェシー叔父
「ほぉー!凄いわぁ。
手際ええな。
作り置きやあらへんのにこんなにすぐ出てくるなんて初めてかもしれんなぁ。








いただきます。






(ハフハフ。パクッ。)







美味いわぁ…しみる。」











相葉
「ありがとうございます!」











ジェシー叔父
「兄ちゃん、ホンマに料理美味いで?


盛り付けも綺麗やし。
見てて楽しいもんなぁ。
料理めっちゃ好きやって伝わってくるわぁ。」









相葉
「ありがとうございます!
良かった、調理師学校卒業して結構経つし、料理の仕事するのは初めてで。
お客さんに喜んでもらえるかどうか心配だったんです!」











ジェシー叔父
「このお店大きくなるで〜。
日本一って看板立ててええくらいやわ!」









相葉
「ひゃー!どうしよう!日本一だなんて!」









ジェシー叔父
「兄ちゃん、本業より楽しそうやんw」








相葉
「あ…。」










ジェシー叔父
「魔物の退治屋さんなんやろ?
本業は料理人、副業は退治屋さん!
そっちの方が気ぃ楽でええんちゃう?」










相葉
「そうですね…。確かに。」








ジェシー叔父
「兄ちゃん大変やろうけど、頑張ってな。
魔物って言っても、ええ奴と悪い奴おるで。
そこは人間と一緒やと思う。


オレでよければいつでも話聞くからさぁ。
また食べに来てええか?
ホンマ美味かったわ〜。」














@現在






相葉
「それから1〜2ヶ月に1回は食べに来てくれてるんだよね。


優しい魔物さんもいるんだって、まだ信じてていいんだって自信ついて。


おれがヒーローとして魔物退治もする気力を取り戻して。


ツヨシさんはそういうのを何年も見ててくれてたんだよね。」










ジェシー叔父
「1人のひよっこ退治屋さんが一人前になるの見届けたんやで。



お店の繁盛させ方もえぐかったなぁ〜。
一気に町の台所に変わったもんなぁ〜。」










相葉
「それはつい最近の話でしょー??
もぉ〜!!



それで、今日も2ヶ月ぶりに来てくれたんだけどさ。…」















@30分前







ジェシー叔父
「おぅ、久しぶり〜!
今日はカレーかぁ。ええ匂いやなぁ!
これ貰える?」








相葉
「はーい!」










(クンクン…)









ジェシー叔父
「カレーの匂いでかき消されてるけどさぁ。
この町にウチの親戚おる?」











相葉
「町に住んでる魔物は4人で〜、
あと1人は泊まり込みで退治屋さんの訓練してるよ?」







ジェシー叔父
「ほほぅ。
魔界からついに退治屋出たん!?
その反逆者かっこええなぁ!!」







相葉
「反逆というか。
人間のことが大好きというか。
もう1人の退治屋さんの用心棒、兼退治屋さん?」







ジェシー叔父
「あー、そういうこと!
人間に惚れちゃったのね〜。

そういや、こないだ兄さんが嘆いてたなぁ。

兄さんとこの次男が人間のこと好きになって全然帰って来ぇへんらしくて。」









相葉
「親戚ってどちらの?
言葉的には魔界の西側?」







ジェシー叔父
「昔は西側に住んでたんやけどな、ホンマ、ちっちゃい時やで。


そのあと、城の移転があって引っ越したんやけどな。

あ、ウチ、こう見えて王家やから。
実家は城やねん。」













@現在





相葉
「ってことで!
町にいる王家の人はじぇすくんしか居ないから!」







ジェシー
「HEHE、そういうことねー!」









ジェシー叔父
「おまえ、おっきなったなぁ〜。
昔はこんなちいちゃかったのに!」








ジェシー
「AHAHA!
それちっちゃすぎぃー!!」









ジェシー叔父
「その隣の子が?
おまえの新しい恋人ねぇ。

へー、めっちゃええ子そうやん♪♪」









ジェシー
「チョ、チョット!叔父さん!
付き合ってないよぉ!」






ジェシー叔父
「あぁ、ごめんごめん。
まだ付き合えてへんのね。




あ、まさかまだ言うてへんの?


いやぁ、まさかそんなわけないよなぁ。
ジェシーは昔から好きになった子にはその瞬間に好きって言う子やったわ!」








ジェシー
「それは…言ってるけど!
色々あるんだよぉ〜💦」








ジェシー叔父
「兄ちゃん、うちの甥っ子ホンマにええ奴やねん。
仲良くしてやってや〜。

退治屋さんの仕事でなんかあったら絶対守ってくれると思うで。」






ユーゴ
「はい!😊
末永く、仲良くさせてもらおうと思ってます!」









ジェシー叔父
「おぉ!ジェシー良かったなぁ。」










ユーゴ
「ジェシーはいつも俺のこと、絶対に守ってくれるんです。
だから俺もジェシーが危なくなったら絶対守ります!」







ジェシー
「だめだよぉ!
危ない時はちゃんと逃げなさいよ!」







ユーゴ
「ふはは、逃げてやんねぇ!」






ジェシー叔父
「なかなかえぇコンビやな。
成長が楽しみや。」







相葉
「でしょ〜!
師匠のおれからみてもそう思うもん!」








ジェシー叔父
「兄ちゃんもついに弟子取るようになったかー。立派になったなぁ。

お前らも、師匠みたいになるんやで!
そのためにはまず安全第一やわ。」







ジェシー
「叔父さん、ヒーローの成長見届けすぎでしょ!

すごいアドバイスくれるし!」










ジェシー叔父
「ヒーロー3人の成長見して貰うわ〜。





せや、ジェシー。
招待状待ってるからなぁ。
子ども生まれたら顔見せに来いよ〜。」








ジェシー
「DAHAHAHA!
やめて〜!言わないで〜!」










(終)

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