のど飴戦士アイバチャンSepson11.5 【同じ空の下、紡ぐ物語〜小話集⑲】


⑲小話〜1年前の俺へ。








※これはフィクションです。登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。また、物語に登場するのど飴の名称は実在のものを使用していますが、効果・効能に関しましては実在のものとは異なります。あらかじめご了承ください。














@1年前の横浜…2020.12.31











ユーゴ
「年の瀬かー。」







結局最後までよくわかんなかった検査入院を終え、やっと退院になったと思ったらもう大晦日。




Mr.ズドン、改め、ジェシーとの死闘の末に俺は内臓を損傷してしまった、疑いがかかっていたけれど。
(吐血したってことは、かなり胃に負担かかったかな?って、卓巳先生が言ってた。)











俺、いつの間にやら身体の損傷が治りやすいというものすごい体質を手に入れてしまったようで。



どんなに調べても綺麗さっぱり何もなく…
内臓損傷は疑いのまま検査が終わった。




ジェシーとの接触事故で骨折した足もいつの間にか完治。
足に埋め込まれた大量のボルトを抜いたんだけど、手術中も傷が治りすぎて苦戦を強いられたそう。
もちろんその傷もすぐ完治。




全身のメンテナンスばっちりで退院となった。











お世話になりっぱなしだった天才シェフも俺が入院してるうちに帰っちゃって。

さびしいし、最後の最後まで優しかったし。
思わず泣いてしまったらなんだか疲れちゃって…お腹すいた。




何食べようかな。。。








どうやってウチの場所がわかったのか、先日和解し友達になったばかりのアノ魔物がウチに転がり込んできちゃった。






魔物って、何食うんだろ。。。
もてなすにしても食べたらダメなものってあるのかな?
ドラキュラはニンニクがダメなんだろ?
カッパはきゅうりが好物…。



こいつは…うーん。










ユーゴ
「なぁ?ジェシー?
食べたらダメなものとかある?
普段何食べてんの?」








ジェシー
「AHAHA〜♪
僕は嫌いな食べ物ないよ〜♪




普段はねー、マカイイモムシのステーキとか、デビルドラゴンの煮物とか!
あとは〜イービルフロッグのお刺身も好きかなぁ?
そのまま素揚げしても美味しいんだよね〜。






いろんなの食べてたよ、

人間以外は!」











ユーゴ
「あ、ごめん。

…ゲテモノ食ってたのね。
ちょっと参考にできないわ。」








家に帰ってくる前にスーパーで買ってきたお惣菜のオードブル、これを一緒に食べたら…











ユーゴ
「大晦日だし、これ買ってきたんだけどさ。
ジェシー、これ食べれる?」







ジェシー
「わぁ〜!美味しそうだね〜!
一緒に食べよ〜♡♡♡」








目を輝かせ、まるで宝石でも見るかのような表情。
お腹壊しちゃわないよね?
ダメなものなら見ただけでうわっ…て感じで受け付けないはず!
こんなに喜んでるなら食べても大丈夫…
…かなぁ?多分…


うん、多分…。







もしこれが何ともないとしたら、量は少ないかもしれない。
まぁ、俺だけならこれは半分も食べられないし、明日はおせち食べるし。

多めに食べてもらおう。。。




時間差で何かあったら・・・
それはマジでごめん。














ユーゴ
「じゃあ…



…っておい!



びっくりしたぁ〜。

顔近ぇわ!」









ジェシー
「AHAHAHA!
びっくりしなくていいのに!
ただchuしようとしてただけだからさぁ♡」








ユーゴ
「大したことしてないみたいに言ってるけど💦
文化の違いなのかな?
それはさすがにちょっと…抵抗ある。」







ジェシー
「いいじゃんよ〜!
僕の愛する人がこんなにすぐそばにいるんだよ?
ガマンできるわけないでしょー!」








ユーゴ
「えーっと、こないだの約束忘れた?
俺に手ぇ出したら友達やめるって、俺と相葉さんと約束したよな?」








ジェシー
「うん…そうだったね。
じゃあ我慢する。

ユーゴ、僕は君のことを愛しているんだ。









あの、今から…

結婚しよう!






そうだ!今日結婚しよう!









ね?今から儀式をして、届出してこよう!」








ユーゴ
「は?どういうこと?」







ジェシー
「約束もそうなんだけど、魔界の法律では結婚前にまぐわうと逮捕されるんだ。
だから今晩結婚しようよ!


DAHAHAHA!僕天才!








子ども、かぁいいだろうな〜!
どっちに似るかなー?
ふふふ、やっぱユーゴに似て欲しいなー!




よし、今から」













ユーゴ

「待て、おい、落ち着け!






俺はこれから嵐さんの活動休止前最後のオンラインライブを見て、紅白歌合戦見て、ジャ○ーズカウントダウンを見るんだから!

その前にメシ、それからお風呂!
年越し前に片付けもして。
今日は忙しいんだ!!」










ジェシー
「しょうがないなぁ。じゃあ明日にしよ!」










ユーゴ
「あ〜そういうことでもないんだけどね。」











ジェシー
「HEHE、愛してるよ〜!!」










ユーゴ
「うるせぇ〜!!泣」







(ぐぅぅぅぅ)









ユーゴ
「お前腹減ってんじゃん。
そろそろ飯食うか。」







オードブルを持ってキッチンに向かい、晩飯の用意をしようとする。


ジェシーは付いてきたみたい。


後ろから包まれるような温かい感触と…








ジェシー
「FUFUFU♡あったかい♡」










ユーゴ
「お前…下半身押し付けんなって!

硬ぇし、熱いし。デケェし。
どうなってんだよ。」









ジェシー
「HEHE、つい♡ムラムラしちゃって♡」











…俺、約束守って貰えるんだろうか。




















@あれから1年。2021.12.31











俺たちは何やかんやで今日まで一緒に暮らしている。
襲われることはないし、無理やり何かされることもない。


ジェシーはかなり我慢してくれていて、同じ?男として関心している。







ちょうど1年前、あの謎の検査入院で2人とも
『ヒーローの適性あり』
と診断された。

それで今は魔物退治の研修中。





先日は兵庫県に住む師匠、去年たくさんお世話になった天才シェフ兼ヒーローの方の元で修行してきて、横浜に帰ってきた。







その町での修行中、ジェシーの親戚かもしれないという魔界の子供と出会って、連れて帰って来たんだけど。
今度はこの子が検査入院中。
まだしばらく帰ってこれない。




魔物と人間のハーフらしく、俺以上にたくさん調べ上げられるんだろうな。
大丈夫かなぁ。




その子が帰ってきたら、3人で一緒に暮らすことにしている。

その子の両親を一緒に見つけてあげるんだ。
早く見つかればいいなぁ…。
お別れするのはさみしいけど、絶対幸せになってもらいたい。






あ、そうそう。
今日はジェシーと一緒にお蕎麦食べに行って、帰りにスーパー寄って今ちょうど帰ってきたところ。







去年バタバタと師走さながら忙しい中1人で買ったオードブル。







今年の年末もバタバタしてたのは変わらず…
去年と違うのはオードブルを2人で選んだってことと、ジェシーの大好物のピザを買ってきた。




俺1人なら食べたこともないような、
すっごいデカいやつな。Lサイズ。

バンドメンバー全員でシェアして食べて丁度いい、みたいな…。








魔物ってマジで食事制限ない、人間と一緒。

なんならかなり量食う!!!









そしてこいつはピザとかトンカツ、ハンバーガー、ホットドッグなどなど、ジャンキーで高カロリーなものが大好きだからすぐ太る。








最近また腹のぜい肉増えた気がするんだけど…




食事の制限に関しては何も心配いらない。
…って去年の俺に教えてあげたい。









ジェシー
「アンパンただいまー!
今日も君のご主人を護衛したぞ!!」







ユーゴ
「アンパン男ただいま!
俺はこのデカい奴の護衛に成功したぞ!」









いつも1人でやってた玄関での風習は2人のものになった。

そして、ある日を境にジェシーはこのアンパン男のぬいぐるみにすごく感謝している。




#今スピンオフ作品10個目を参照











ジェシー
「FUFUFU♡
これ美味しそうだねー!」









ユーゴ
「さ、支度するかー。」






ジェシー
「はいよー。」









2人並んで洗面台で手洗い、うがい。
ついでに洗顔。


人間界でコロナウイルスが流行して不安だらけの中、1人でやってた習慣も今では2人のものに。

(ウイルス対策するのは魔物も一緒だよって、路上飲みして駄弁る人たちに教えてあげたい。

ジェシー頑張ってんだぞ。笑笑)










オードブルは大皿に移すことにした。
一応、感染対策。
と、ちょっとリッチな気持ちで新年迎えようかなと思って。




せっせとやっていると後ろから温かい感触に包まれる。









ユーゴ
「お前またかよ。
下半身押し付けてんぞ。このマグ○ンめ。」








ジェシーの性欲は相変わらずなんだけど。


ジェシーのことがよくわかったし、信頼している。
こいつは絶対俺に手を出すことはない。




あと、何があっても友達辞めたくないから前の約束は解除した。


俺たちは結婚はしない、じーちゃんになってもずっと一緒にいよう、と新しい約束が増えた。













ユーゴ
「ん。」








台拭きを渡すと喜んでダイニングテーブルの方へ向かっていくジェシー。

こういうところが、なんか大型犬みたいで可愛かったりする。笑笑












ユーゴ
「ジェシーありがとう。」






ジェシー
「いいえー!綺麗にしたよー!
…ユーゴ、腰痛いの?」






ユーゴ
「あぁ、うん。ちょっとね。」








ジェシー
「これ僕がやるからちょっと休んでなよ。」









こいつは凄い。
俺の表情1つで考えごとやちょっとした体の痛みを全部見透かしている。


魔物の能力では決してなく、ずーっと俺のことを見ていたらわかるようになったそう。








俺もそこまでじゃないけどジェシーの考えてることがたまにわかることがある。

言葉を交わさなくてもお互い分かり合えることが増えたような気がするんだ。







こいつが一緒なら、来年も再来年も大晦日が楽しみだな。









ジェシー
「DAHAHAHA!
そろそろ紅白歌合戦だよ〜!HEHE!
SixT○NESは何番目かなぁ???
録画して何回も見るんだ〜♪♪」









ユーゴ
「前半の最後らへんだよな?

Sn○w Manも録画するからな!」







ジェシー
「いいねー!!」









(終)

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