のど飴戦士アイバチャンSeason11.5 【同じ空の下、紡ぐ物語〜小話集㉟】
㉟小話〜倹約家、やらかす。
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
食中毒についての注意点は農林水産省のホームページを参照していますが、対策全てを記載しているわけではありません。
詳細はGoogle先生に確認し正確な判断を行えるようにしてください。
以上の点につきましてあらかじめご了承ください。
⚡︎⚡︎⚡︎テレビ
「続いては、今日の天気です。
関東4県は晴れ。気温は25度を超える日が続いていて、暖かくなってきましたね。
食中毒に気をつけてください。」
ダイゴ
「しょくちゅう、どく?」
(トントントン…
ガラガラガラ…)
卓巳先生
「ダイゴ君おはよう。
今日の調子はどう?」
ダイゴ
「おっと、回診…。
もうこんな時間でしたか。」
卓巳先生
「あー、いいのいいの。
そんな正座なんてしなくても!
若い子なのにえらいねー。
それとも、まさか具合が…」
ダイゴ
「いえいえいえ!変わらないですよ。
どこも具合悪くない、元気な検査入院ですから!笑笑」
卓巳先生
「今日は遺伝子検査の続きね。
あちこち細胞取って調べるから時間かかっちゃうけど。
これが解析できたらご両親のことも少しわかるかもしれないよ!
ほら、あのー。
プリンで言うところの、プリンの本体を取ったり、カラメルのとこを取ったり。
あと他にクリームやフルーツが乗ってたりしたらそこ取って…
どんなプリンなのか特徴を調べたら、どこのお店のプリンなのかわかる…みたいな!」
ダイゴ
「スイーツ的発想…
なんかわかったような気がします…笑笑」
卓巳先生
「前に本当に調べたことあるからね〜。
集団食中毒が起こった時、みんなの胃の中から同じ料理が出てきてお店探し…」
ダイゴ
「あ、さっきテレビで言ってました!
食中毒?…ってなんですか?
人間界は暖かいと毒にやられちゃうの?」
卓巳先生
「菌やウイルスが付いて、それが増えて、腐っている状態のものを食べたらお腹壊しちゃうことがあるんだよ。
暖かい日は菌が繁殖して腐りやすいから食中毒になりやすいんだ。」
ダイゴ
「そうなんだー。
魔界は虫ばっかり食べてたからそんな心配なかったなー。
全然美味しくないし、元気つかなかったんだけどね。」
卓巳先生
「ダイゴ君は半分人間だからね。
ゲテモノってだけで受け付けないよねー。」
ダイゴ
「そっか。
虫食べたくないのは僕のお母さんからの遺伝ですか…。
こういうところで会ったことのない親との繋がりを感じられて、嬉しいです!!
お母さん、お腹壊したことあるのかな?
大丈夫かなぁ。早く会いたいなぁ。」
卓巳先生
「そうだね。早く見つけて、幸せになれるように導いてあげなきゃね。」
ダイゴ
「先生!
食中毒って、気をつけたらかからないんですか?
もしお母さんに会ったら教えてあげたいんです。
僕なんかより詳しく知ってるかもしれないけど。」
卓巳先生
「ダイゴ君は優しいね。
どんなに気をつけててもうっかりしちゃったり、意外と気付けないこともあるからね〜。」
《食中毒の注意点》
食中毒の中にも細菌型、ウイルス型、自然毒、化学性、寄生虫など種類がたくさんあるんだよね。
主な原因は
細菌とウイルス
どちらも目に見えないくらい小さいものだから、食べ物に付いても全くわからないんだよ。
でも、付いてしまった菌やウイルスは温度や湿度などの条件が揃うと食べ物の中で増えちゃう。
それを食べると、食中毒になってしまうわけだけど、身体の中に入った菌やウイルス、それらが作り出した毒素は身体の中に入る量が多ければ多いほど症状は重くなる。
だから、原因菌を
つけない、
ふやさない、
やっつける
この3つが大事だね。」
ダイゴ
「メモメモ…
どんなシチュエーションが1番危険ですか?」
卓巳先生
「お弁当は結構危ないかも。
朝にお弁当作って、食材が温かいまま蓋を閉めちゃったりなんかするでしょ?
温度が高いのもそうだけど、湯気がこもって湿度が高くなるから腐りやすい環境になるんだよね。
そして、作ってすぐに食べるわけではないからその間に菌が増えやすい。
だから細心の注意が必要なんだよ。」
ダイゴ
「それは大変だ…!
食中毒は人間の日常に潜んでますね…!」
卓巳先生
「注意点は
・味や匂いが変だと思った時は食べない
これ1番大事ね!\_( ‘◇‘)ココ重要!
菌をつけない
・手洗いして清潔な手で作ること
・怪我した手で作らないこと
・綺麗なお弁当箱を使う。
・基本的に水分はNG、しっかり拭き取る。
菌をふやさない
・冷蔵庫で保管、なるべく早く食べる。
保冷剤も活用する。
・冷凍おかずを自然解凍しつつ保冷…
手作りのものではやめて。
※"ちゃんとした"市販の冷凍食品ならOK
菌をやっつける
・おかずの調理は中まで火を通す!
・火を通さなくても食べられるハムやかまぼこも火を通したら安心👍🏻
危険な食材!
・チャーハン、混ぜご飯
→野菜からの水分で湿度が高くなるので痛みやすい
・生野菜
→水分が多いので注意!
葉物野菜には洗っても落ちない菌がついているかも…!
・ミニトマト
→ヘタに菌がついているので取ること!
・ポテトサラダ
→きゅうりなど非加熱のものが混ざっているので痛みやすい。避けるのが無難。
・半熟卵
→サルモネラ菌に感染するので中心まで加熱を!
・作り置きのカレー
→再加熱しても死なない菌が繁殖しやすいのでお弁当には不向き。
ダイゴ
「ちょっと気をつけたら安心安全でおいしいお弁当が食べられるんですね…!!」
(ガラガラガラ…)
看護師
「波多野先生!急患です!
お願いします!」
卓巳先生
「カルテ見るね…
あらぁ〜、食中毒。」
看護師
「この方、波多野先生の患者さんですよね。
前に検査入院してた…。」
卓巳先生
「ダイゴくんの隣のベッド空いてるから入ってもらおっか。」
ダイゴ
「来てください!
早く元気になってもらいましょう!」
卓巳先生
「2人部屋だし、せっかくだからね。」
ダイゴ
「???」
看護師
「ストレッチャー入ります!」
(おえ、おえ…)
ダイゴ
(大変そうだなぁ。)
卓巳先生
「今治療始めるからね。
プリンペラン静注して、
ビーフリード1本点滴しましょう。
あー、鑑別のためにエコーしとこうか。
一応、念のためにね。」
「大丈夫、です。
おえっ、何も…。」
卓巳先生
「同棲してるカレ、ちゃんと我慢できてたんだね。」
「はいぃ…うぅ…。
なんか、吐き気、治まりました。」
卓巳先生
「よかった。
吐き気止めの注射効いてきたね。
食中毒の疑いが高いんだけど、何か心当たりあるかな?」
「あ〜やらかした。
多分朝に食べたグラタンかも。
昨日の晩の残り、食べたんです。
昨日あいつ晩ごはんいらないって連絡寄越さなかったからしばらく常温で置いてたんです。
外食して帰ってきて結局食わなかったから、そっから冷蔵庫に入れて。
朝、あいつの分は普通に作って食わせて、俺だけ昨日の残り食べたんです。
あんまりあったまってなかったんですけど、まぁいっかと思って。」
ダイゴ
(なんか聞き覚えのある声だな…)
「あぁ…先生!
トイレ行きたい!」
卓巳先生
「ごめんね、行っておいで!
歩ける?」
(タタタタタ…)
ダイゴ
(大丈夫かなぁ。)
「先生、すいません。
戻りました…
あのー。この部屋。
ダイゴ居ます?」
卓巳先生
「そうそう、いるよー。
2人部屋だから仲良くしてねー。」
(シャッ!、とカーテン開ける)
ダイゴ
「やっぱり…あなたでしたか。
ユーゴくんw
大丈夫ですか??」
ユーゴ
「ダメだわ〜。
ごめん、暫くぶりにあってこんな姿を見せてしまった…」
卓巳先生
「ところで、カレには連絡入れる?」
ダイゴ
「カレって、ジェシーさんのことですかw」
ユーゴ
「やめときましょう。
あいつに言ったらめんどくさいから。
とりあえず今晩は外食してもらって、朝と昼は何か買って食うように言っときます。
帰らないって言っとけばいいでしょう…
やば。」
ダイゴ
「ユーゴくんどうしました?」
ユーゴ
「あいつ、俺のスマホにGPSアプリ入れて連携させてるw
なんで東京の病院にいるんだってL○NE来てた…
これ、仕事終わりに来るやつかな?」
ダイゴ・卓巳先生
「仕事終わりというか…
すぐ早退でしょうね。」
(ダダダダダダダ…)
ユーゴ
「この足音は…」
(ガラガラガラ…!)
(終)
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