のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第9話】
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実際のものとは一切関係ございません。
あらかじめご了承ください。
(ピッ、ピッ…)
相葉
「ユゴちゃん…
頑張れ、頑張れ…。」
ユーゴ
「んっ」
(苦しそうな顔をする)
相葉
「ユゴちゃん!ユゴちゃん!」
ユーゴ
「はぁ、はぁ。」
ユーゴ
(んん…)
相葉
「目、覚めた…!!」
ユーゴ
「・・・・・・。」
相葉
「あ、ごめんね。
このボサボサな感じだと、もしかしてまた声が出ないと思うんだけど。」
ユーゴ
(・・・・・・!!)
相葉
「記憶は…」
(バッ!)
勢いよく起き上がる
相葉
「あ、ほら、まだ安静にしててっ。」
(ユーゴ、走る)
ユーゴ
(・・・・・・!!)
相葉
「じぇすくんね、病院に運ばれて暫くは意識あったみたいなんだけど…
今は昏睡状態らしくてさ。
かなり強いダメージを受けたみたい。
あ、今日ね。
たろちゃんとこっちに来てさ、たろちゃんにはユゴちゃんちに行ってもらってるんだよ。
炊飯ボタン、押してもらったからね。
バンドのみんなも視鬼神さんも居てくれて、ダイゴくんのこと見てくれてる。
今頃みんなでカレーライス作ってるよ。」
ユーゴ
(・・・・・・!)
相葉
「みんなに任せて大丈夫だから。
早く体調戻そうね。」
(半泣きで頷く)
相葉
「看護師さん、すいません。
ICUの中って入れますか?
近くで会わせてあげたいんですけど。
あのー、そこで寝てるルイスジェシーなんですけど。
(小声)
この子のこと大好きなんですよ。
近くに来たら目が覚めちゃうんじゃないかなぁ、なんて。」
看護師
「はい、先生に確認します。」
卓巳先生
「いいよー。」
相葉
「ちょっと、卓巳くん。
いるなら早く教えてよ。」
卓巳先生
「いまちょうどオペ室から戻ってきたところでさ。
ユーゴくん走ってたからビックリしたよね💦
ユーゴくんの診察だけ先にいい?」
ユーゴ
(・・・頷く)
卓巳先生
「ごめんね、今回は短時間で済ますから!
ちょっとだけでいいから!」
ユーゴ
(・・・・・・。)
看護師
「とは言っても、波多野先生は診察が長くて有名ですからね。」
@1時間後
卓巳先生
「…はい。ありがとうね。」
相葉
「ユゴちゃん、そんなに身体悪いの?」
卓巳先生
「いやぁ、回復が早いから重篤な状態は脱してるね。
今の感じだとギリギリ軽症…かな。」
相葉
「1時間も診察するから重症なのかと思った!
もぉ〜、ビックリさせないでよ〜。
短時間で済ますって、1時間は長いよ?」
卓巳先生
「まぁまぁ💦
ジェシーとの面会は時間も回数も制限しないから!許して💦」
相葉
「ユゴちゃん、良かったね。」
卓巳先生
「じゃあ、ユーゴくんの今の状況を説明していくね。
今回も敵にかなり強く魔力を注入されたみたいだね。
それで前みたいに自己免疫が暴走して、今回も髪の毛と髭がボサボサに伸びた。
声も出なくなったけど、今回は前と比べ物にならないくらいダメージが大きいからね。
前回みたいに魔物に声を抜き取られた、というよりも、今回は声帯にもダメージがあるからか、ストレスによるものなのか、
の方が可能性としては高いんだけど。
声帯のダメージはそんなにひどくない。
呼吸にも関わるから優先的に自然治癒能力が働いたのたのかもしれない。
だから、これはストレスによるものかなとは思う。
声を取られる前に心理的ダメージで声が出なくなってた可能性が高い。
治るまでにはちょっと時間かかるかも。
ただ、今回はかろうじて記憶は失わずに済んだ。ってとこかな。
相手の魔力はかなり強いはずなのに、どうしてそこまでならなかったのか。
単純にあの時より身体が強くなったのか。
ジェシーの魔力が体内で増幅されてた状態だったのか。
それはよくわからない。
奇跡的に頭の損傷がほとんどなくて即死しなかったのが良かったね。」
ユーゴ(筆談)
"あたまはジェシーがまもってくれました。
そのせいでジェシーは"
卓巳先生
「さすがジェシーだね。
治癒能力は大事なところから優先して治してくれてるみたいで、内臓破裂と血管の損傷はおそらく数秒〜数分で完治してる。
元々貧血気味だけど、おかげさまで貧血の進行はなかった。
今は骨折が少しずつ治っているところ。
外傷の場所や程度を見たところ、多分ほぼ全身の骨が折れたんだろうけど、鎖骨やあばら、足はほぼ完治に近いみたい。
だからもう走れたでしょ?」
ユーゴ
(頷く)
卓巳先生
「かなり強い痛み止めを使ってるから痛みも今のところは落ち着いてる。
あとは右腕、肘から下を一回切断されているからね。
治癒能力でくっつくことは出来たけど、他に治すところが多すぎて神経の回復は少し後回しになってるんだと思う。
だからまだ右手に力が入らない。」
ユーゴ
(コクリ)
相葉
「指が動きにくいね。
卓巳くん、これはどのくらい良くなる?
日常生活とかお仕事には支障出そう?」
卓巳先生
「完全に元に戻るとは思う。
他のところが完全に修復されたら神経の回復が始まるんだと思うよ。
骨折が治ったらにはなると思う。
この辺は自然治癒に任せたほうがキレイに治るだろうから、下手に治療はしない。
しばらく入院して、ゆっくり休んで体力を回復させよう。
手のリハビリの作業療法、
声のリハビリの言語療法もやっていくよ。」
ユーゴ
(ペコッ)
相葉
「卓巳くんありがとう。
じぇすくんに早く会わせてあげて。」
卓巳先生
「あーごめんごめん!そうだね。
ICUに入るときは、ガウンとマスクの装着にご協力を。
あー、あとジェシーは怪我の具合が思わしくないから目が覚めたとしても無茶はさせないでね。
魔物も回復は早いけど、ユーゴくんほどじゃないから。
痛てて。
ジェシーったら意識失う前に最後の力振り絞っておれの腕脱臼させたんだよ。
お願い、ユーゴを助けて!
大事な指輪なくしちゃった。
それと、炊飯器…
って言って。」
相葉
「現場でのあのリアクションは、そういうことだったんだ…。」
卓巳先生
「右腕と指輪見つけるまで帰れないと思ったよ。」
@ICU
相葉
「じぇすくん、ユゴちゃんの意識戻ったよ。
会いに来てくれたよ。」
ユーゴ
(ぐすっ、ぐすっ、)
相葉
「ほら、じぇすくん。
ユゴちゃんが手握ってくれてる。
わかるかい?」
ジェシー
「nn、」
ユーゴ
(・・・・・!!)
卓巳先生
「え、すごっ!うそでしょ!?
さすがに回復早すぎない??」
(むくっ)
ジェシー
「痛ぁ〜い。。。」
相葉
「じぇすく〜ん!泣
良かった〜。
心配したよぉ!!」
ジェシー
「えーっと。
みなさん、どちらさまですか?」
(続く)
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