のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第11話】
※これはフィクションです。登場する人物、場所、団体等は実際のものとは一切関係ございません。
あらかじめご了承ください。
( ):物音、ジェスチャー、心の声
" ":筆談、スマホ入力
@9:00 病院の売店
卓巳先生
「3時のおやつは何食べようかな?
昨日は結局スイーツ買いに行けなかったし。
まさきに病院の厨房貸したら作ってくれそうだけど…。
さすがにダメだよね〜。
シュークリームかなぁ。
エクレアもいいな。
生クリームたっぷりのロールケーキ…
プリン…
フィナンシェ…!!!
オープン同時は商品揃いすぎてて迷うけど…
やっぱフィナンシェだな♪
目が合ったらときめいちゃったよ。
よし、これで今日1日頑張れる。
あれ、ジェシー?
どうしたの?
怖い顔して雑誌の立ち読みなんかして。」
ジェシー
「HEHE!
モテ男になるための勉強!
漢字読めないけど写真見てたの。」
#本当に
#イケメンだね
ジェシー
「どうしたらキュンキュンしてもらえるかなって考えてて。
ほらー、この人たちかっこいいじゃーん?
マネしたらいいかなぁ。」
(ジャーン!)
売店の店員
「か、かっこいい…」
卓巳先生
「まさきが早朝持ってきた着替えを着ちゃったもんだから、
どこが悪くて入院してるのかわからないイケメン患者
になってるな。」
ジェシー
「HEHE、あたまぁ〜」
あのお兄さん、すごい人なのかな?
病院が特例出しまくっちゃって!HAHA!」
卓巳先生
「まぁ、オトナの事情でね。
…って、いやいや!君は頭どころか
全身とんでもない外傷
だったんだけど。」
ジェシー
「HAHAHAHA!
なんで入院してるのかからもう覚えてないや〜!
それでね。
僕、今気になる子がいるんだけど。
昨日はちょっとだけ手繋いだ…というか触ったんだよね。
どうやって距離を縮めようかと考えてたの。
僕は結構ガツガツ行く方なんだけど。
ほら?あの子怪我してるし、かなり落ち込んでるし、弱ってるところに知人っぽい人からガツガツ来られたらイヤかなって思ったりして。
元々の関係性がわからない分慎重にね。」
卓巳先生
「(意外と駆け引きするんだ)
そっかぁー。お相手はあの子かなぁ。
そしたらさぁ・・・。
お部屋の移動から始めよっかー。
ジェシーは全身状態こそ悪いけど意識もしっかりして来たし、ICUじゃなくていいよねー。」
(どういうわけかナースステーション直結で全面ガラス張りのICUを抜け出して売店にいるし)
ジェシー
「それ看護師さんにも言われたー!
昨日の夕方は300点だったのに今朝にはもう1点だねって。」
卓巳先生
「点数…意識レベルのことかな?」
ジェシー
「今日の日付言えたの!
2023年の6月✘✘日!
病院の名前も多少間違えたけど言えたよ!
とうてい大学医学病院!
高度先端センタン!」
卓巳先生
「帝都大学医学部附属病院
高度先端医療センター
…うん、言いたいことはすごくわかる。
※
#卓巳先生の解説
#意識レベルなるもの
異国の病院の名前をそこまで言えたら大丈夫じゃないかな?
ウチの病院、名前難しい上に長いから。
科もそこまで言えたら。」
⚡︎⚡︎⚡︎
師長さん?
波多野です。
あのー、確かHCUの2人部屋空いてましたよね?
ICUのジェシーくんとHCUのユーゴくんをね、一緒に入れて欲しいんですよね。
ジェシー、今一緒にいるから伝えておくので。
もう移動しちゃってください。
あ、ICUからいなくなってて探し始めてました?
大丈夫ですよ。
売店でモテ男になろうとしてましたから。
罰としてナースステーションで披露させますね。
超カッコいいポーズ!
あれはね、すごいですよ。
脚長くないと無理ですよ!
…あー!ごめんなさい!
今会計して連れ戻しますから!」
ジェシー
「HEHE、照れるなぁ。」
(⚡︎ピッ) 電話を切る
卓巳先生
「すいません💦会計一緒にお願いします。」
@その頃…
(ポン!)
・・・・・・!!
ユーゴの心の声
(あ、ジェシースマホ忘れて行ってる!)
(画面開きっぱなしだし。
ったく自動ロックぐらいかけておけよ。
バッテリー痛むだろ…)
(・・・・・・!
ゴミ箱に俺の写真大量に入ってるんだけど!!
見るつもりなかったのに何か傷つくなぁ。
確かに撮りすぎだから消しとけとは言ってたけど…。
今このタイミングは、記憶喪失のせいだろうな。
ごめん、ジェシー。。。
はぁ…。ダメだ。
気分が沈んで力が出ない。)
#お風呂にも入れないメンタル
#風呂好き
#髭も剃れないメンタル
(ガラガラガラガラ)
ユーゴ
(ニコッ)
ジェシー
「か、かわいい…。」
ユーゴ
(???)
ジェシー
「この表情やばぁい。たまらん。
せんせぇ、本当にいいの?
こんな可愛い子と2人っきりにしてくれるの?」
卓巳先生
「大丈夫、大丈夫!
じゃあ、あとは面会時間まで2人でごゆっくり〜」
(ガラガラガラ…)
ジェシー
「ごめん、さっきの表情可愛すぎたから撮影させて欲しい…。」
ユーゴ
(笑顔で頷く)
ジェシー
「えーっと、カメラ、カメラ…」
(テーブルのスマホを指差す)
ジェシー
「あった、あった!
ありがとう、忘れてったんだね。」
(シャシャシャシャシャシャシャシャ!)
ジェシー
「HEHE、いい表情!
ありがとねー!」
(ピコン)
ジェシー
「なんか音鳴った!
メッセージ?」
ユーゴ
"おもいだしたの?
きのうまでとおなじことしてるよ"
"きのうのあさとおなじことしてる"
ジェシー
「HE!?
あ、ごめんねー。キモいでしょー?」
ユーゴ
"ぜんぜん!
ふつうのジェシーだよ。
いつもどおりでうれしかった。"
ジェシー
「Ha!
こんなキモい人をふつうだって言ってくれるなんて…。
しかも喜んでくれるなんて…」
ユーゴ
"おれはジェシーのことぜんぶおぼえてるから。あんしんして。
だいじょうぶ。
おまえはふつうだよ。"
"おぼえてないはずなのに、いつもどおりでいてくれてありがとう。"
ジェシー
「キューーーーーン♡
・・・え?いつも通り?
ユーゴの写真なんて1枚も見当たらなかったんだけど。
(トントントン) ノックの音
(ガラガラガラ…) ドアが開く
看護師
「面会の方がいらっしゃいました。」
ジェシー
「HEHE、だれだろ?
おはようございます!」
ユーゴ
((泣))
ユーゴの両親
「ユーゴ、良かった。心配したのよ。」
「かなりの大怪我だって聞いてたけど、大丈夫か?」
「あとでお兄ちゃんも来るからね。
髪の毛直してくれるって。」
ユーゴ
(スマホポチポチ)
ユーゴ→両親へ
"また声出なくなった。
今度はストレスが原因だから治りにくいかもしれない。
"怪我はもうだいぶいいみたい。
内臓とか大きい怪我だけ先に治ったらしくて、あばらとか鎖骨の骨折はまだあるらしいけど治ってきてる!
"右腕も1回切れちゃって、神経が治りきってないからまだ動きにくいけど、昨日からリハビリしてる。
多分骨折が治ってから、神経も修復されていくんじゃないかって。"
"心配かけてごめんね。"
"ジェシーが守ってくれたから、これで済んだんだと思う。"
ユーゴの父
「そうか。
ジェシー、ユーゴを守ってくれてありがとう。本当に…ありがとうございます。
今までのことを許してくれとは言わないが…
本当に申し訳ないことをした。」
ユーゴの母
「お父さん、悪気があったわけじゃないの。
息子が魔界の男の人と暮らしてるっていうのが、ちょっとびっくりしたみたいで。
それに前に家に行ったときに見た光景がね…。」
ユーゴ→両親へ
"そういう関係じゃないから大丈夫"
"あと、俺のせいでジェシー記憶失ってて。
俺のことすら覚えてない。"
"親父に殴られたのとか何も覚えてない。"
ユーゴの母
「ジェシーくん、ユーゴのために…。
大変申し訳ありませんでした。
守って頂き、本当にありがとうございました。」
ジェシー
「HE?そうなの?
でもいいんですよ。
ユーゴの役に立てたなら僕はそれで幸せですから。」
ユーゴ→両親
"大昔の記憶で止まってるらしいけど、優しいのは変わってないわ。"
ユーゴの母
「2人とも今は仕事とか家のこととか気にしないで、治療に専念するのよ。
ダイゴくんはウチで見てるから。
ユーゴの使ってた部屋使って貰ったら、アンパン男のぬいぐるみで遊んでてね、本当に可愛いかったわ。
プランターのお花も家に全部持ってきて、ダイゴくんと一緒に水やりしてるからね。」
ユーゴ→両親へ
"ありがとう。
今まで見たことないくらい、マジで良い子だから、本当に宜しくお願いします🥺"
"今まで子どもらしくない過酷な暮らしをしてたからたくさん甘えさせてあげて。"
"年齢60歳なんだけど、見た目は20代で、
中身は6歳だから。
でも本当にしっかりしてる。"
"ジェシーのお花たちもありがとう。
記憶戻ったら絶対喜ぶと思う!"
(ダイゴ、戸口から覗いてる)
ダイゴ
「ユーゴくん、ジェシーさん…無事やぁ。
ホンマに無事やぁ…。良かったぁ。
お父さんとお母さんかぁ。
ええなぁ。
アカン、感情グチャグチャや。」
相葉
「(あれ?なんで関西弁?)
うらやましくなっちゃった?
甘えておいでよ、ほら。」
(背中を押してあげる)
ユーゴ
(!!!)
ジェシー
「かぁいい子どもがいるー!!
(ハグ♡)
ダイゴ
「ジェシーさんっ、痛い痛い。
相変わらず強すぎますって。
よかったです…2人ともご無事で…。
すごく、しんぱいだったんですから…!!
(ぐすん、ぐすっ。)
2人の荷物、追加で持ってきました。」
(ガサッ)
ジェシー
「両親探しで忙しい中ありがとね。
心配かけちゃってごめんね。」
ダイゴ
「ジェシーさん、僕のこと覚えてるんですか?
全部忘れちゃったって…。」
ジェシー
「君のことはユーゴとお師匠さんから聞いてたの。
なぁんだ、ナイショにしようとしたんだけどね〜。HAHAHA」
ダイゴ
「僕のためにすいません。
気を遣わせてしまって。
僕のことは最後にゆっくり思い出してで大丈夫ですから。
ユーゴくんのことを最優先で思い出してくださいね。」
ジェシー
「やぁ〜だぁ〜。
ウワサ通り頑張り屋さんの甘えられない子だねぇ。
早く思い出したいよぉー!!
お仕置きのぎゅーーー。」
ダイゴ
「いてててて。
ジェシーさん何にも変わってないですね…。
甘えちゃいたいなぁ…。」
ジェシー
「甘えなさいよー。
もっとたくさんワガママいって。
駄々こねちゃってー。
ヤダヤダァ〜!とか、遊んでよぉ〜!とかね!」
ダイゴ
「ええええええええええん!」
ジェシー
「そうそう!いいカンジ!」
ダイゴ
「2人とも生きててよかったー!
僕すごい怖かったの。
だって、2人とも僕に優しくしてくれるし!
すごく大切にしてくれるからぁ!
僕に両親が居たらこんな感じなんだろうな
…って勝手に思ってて。
どっちがお父さんかわかんないけど。」
ジェシー
「魔界の性別的には僕だね。」
ユーゴ
"たよりねぇけどな"
ジェシー
「え?僕は大人になってもそんな感じ?」
ダイゴ
「大好きな2人が死んじゃうかもしれないと思ってすごく心配で!!
僕、大事な人を失うのもうイヤだ!
ヒーローの活動は、僕のためでもあるんですよね?
ぼくが両親探して欲しいなんて言ったからですよね?
危ないことに巻き込んじゃってごめんなさい!
こんな危ない目に遭うなら、
魔物退治なんて
もうしないで!
他にワガママ言わないから…
もう2度と言わないから…!
いなくならないで…!
えぇぇぇぇぇぇぇ〜ん。」
(ユーゴ、抱きしめる)
(トン、トン、トン)
ユーゴ→ダイゴへ
"しんぱいかけてごめんね。
おれたち、ダイゴとであうまえから、まものたいじのくんれんしてたでしょ?
ダイゴはなんにもわるくないよ。
ぜったいしなないから。
しんぱいさせないようにするから。
ダイゴのパパとママをさがしたい。
ぜったいみつけてあげるからね。"
"おれたちのために、たくさんないてくれてありがとう。"
"なかまもせんぱいもしんじゃって、
あいぼうはきおくなくして。
なんでおれだけかるいケガですんだんだろうって、なんかいもじぶんをせめてたけど。
ダイゴがこんなにかなしんでくれるなら、
おれ、いきててよかった。"
(ぐすん)
ダイゴ
「ユーゴくん…。(ぐす、ぐすっ。)」
ユーゴの両親
「ユーゴ、この子のことは任せなさい。
ダイゴくん、おじさん達にも遠慮しなくていいんだからね。
おじいちゃんとおばあちゃんだと思っていいから。」
ダイゴ
「おじいちゃんとおばあちゃん?」
相葉
「祖父母の愛って…すごいんだよね。」
ジェシー
「そういえば僕、小さいときにグランマの家に1週間泊まったら10キロ体重増えたよ!
たくさん甘えちゃってね。
おじさん達から今までにないくらい、たっくさん愛してもらうといいよ!!」
ユーゴ
(深く頷く)
"まぁ、おれたちのできあいっぷりにはかてないだろうな!"
相葉
「特にユゴちゃんの溺愛っぷりがね。
親バカのソレと似てるもんね(笑)
あ、そうだ!
さっき荷物取りにユゴちゃん家にお邪魔したとき、少し料理作ってきたんですよ!
これ皆さんでどうぞ!
ダイゴくんもいっぱい食べてね。」
ユーゴの両親
「ありがとうございます。」
ダイゴ
「ありがとうございます!
お、重たっ!
…これ何人分の何食分ですか!?
全然少しじゃないですよ!!」
相葉
「ついつい業務用みたいな量になっちゃったけど、食べ盛りなんだからいーっぱい食べないと!」
ジェシー
「AHAHAHA!
こちらは面倒見のいい親戚のおじさん愛みたいだね!」
ダイゴ
「お店のメニューですか?」
相葉
「裏メニューすぎて誰も頼んでないの。」
ダイゴ
「ユーゴくん食べてー。あーん。」
ユーゴ
👍🏻
ジェシー
「HAHAHAHA!僕にもやってー!」
ダイゴ
「えー、どうしようかなー。
ジェシーさん右手動くからなぁ。」
ジェシー
「なぁんでー!笑笑」
(続く)
0コメント