のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第13話】






※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実際のものとは一切関係ございません。
あらかじめご了承ください。









@10:00 病室






ジェシー
「ユーゴは今日もリハビリかぁ。




帰ってくるまでさびしいけど、今は美味しいご飯作ってくれてるからなぁ…。




HEHE、昨日のチーズオムレツすっごい美味しかったなぁ。
あんなに美味しいもの食べたことない。




人間のごはんってこんなに美味しかったんだね。
ユーゴが天才的に料理上手なのかな?




おかげさまで今日は病院の朝ごはんも全部食べられたよ。








ユーゴ、ありがとう…。








ユーゴ、会いたいなぁ。








ユーゴ…。









ユーゴ…。











ユ〜〜ゴ〜〜〜!」

















@その頃





ユーゴ
「?????」







作業療法士のタカキさん
「ユーゴくんどうしたの?」








ユーゴ

[😊]

(なんでもないっす!)










(調理に戻る)
















@話は戻って…








ジェシー

「はぁぁぁぁぁぁ。

(大きめのため息)




#同室者がリハビリ中
#離れて数分
#さびしすぎて














おかしいなぁ。僕。
どうしちゃったんだろう。









昨日からずーっとユーゴのことしか考えてない。


記憶喪失になって忘れちゃったこと、全部思い出したいのに。


そうだ、お写真見よう!
何か思い出さなきゃ!









・・・・・・。









この人たちは僕の友達なのかな?
















ユーゴと仲良すぎじゃない?












・・・・・・気になる。










あぁ、だめだ。
結局ユーゴのこと考えてた。














いいもん!
僕はこれからユーゴが帰ってきたら、一緒にご飯食べて。




ご飯食べたら13:00からは言語療法に行っちゃうけど。





14:00に戻ってきたら一緒にお昼寝して。






16:00に2回目の作業療法…。








…意外と一緒にいなかった!!






#そんだけいたら十分








ユーゴは後遺症がかなり重いから、料理の練習以外にも色々やらなきゃいけなくて大変なんだよなぁ。








でも、そうだよね。
ちゃんと元気にならないと退院してから大変だよね。









今すごくつらそうだし。

昨日もすごく辛そうだった。













@昨夜






ジェシー
「ユーゴ、眠れないの?…」









ユーゴ









ジェシー
「今日は疲れたんじゃない?」









ユーゴ
(スマホを手繰り寄せる)







・・・・・・!!













ジェシー
「動かなくなっちゃった?
今日はたくさん頑張ったから先に寝ちゃったんだね。






えーっと、僕のどこ行ったかな?
どこ置いたか忘れちゃったな。






紙とペン…
確かカバンの中に勉強道具が…。







あった、あった!
ほら、書いてみて。」









(ユーゴにペンを持たせる)










カシャン、(ペンを落とす)








ユーゴ
(・・・。)







ジェシー
「あ…そうだよね。」









ユーゴ
(ぐすん。)







ジェシー
「あ、ごめん。えっと。あの。






どうしよう。





あ、僕の電話ここにあった!




ユーゴのためなら元気に動くと思うよ!
線に刺してたし。」











ユーゴ
(ポチポチ…)









ジェシー
「"ごめん…"




いやいや、なんでユーゴが謝るの。
今までユーゴは何も悪いことしてないよ!
こんな大怪我までさせられて!」








ユーゴ
"こえがでなくてかいわできないし。
もっとはなしたいこといっぱいあるのに。"

"もっとたくさんはなしできたら、
ジェシーだっておもいだしやすいかもしれないのに。"

"ひつだんすらまともにできなくて。"

"ジェシーにばっかりきをつかわせちゃって。
ごめん。"

"なにもしてやれなくてほんとにごめん"









ジェシー
「そんな、そんなことない…!


僕の方こそ、ユーゴとの思い出何も覚えてなくてごめんね。


一緒にいたはずなのに守れなくてごめん。


僕、もっと気が回ればいいんだけど。
大したことなにも出来なくてごめんね。






僕は何も覚えてないけど、身体は自由に動くから。
僕のことをもっと頼ってほしいな。






ユーゴの分までたくさん頑張るから。
僕はユーゴの記憶に頼るけど、いい?」










ユーゴ
(泣きながら頷く)









ジェシー
「あ、あのー、泣くならここでどうぞ。」
(抱き締める)









(ジェシーの胸に顔を埋めて泣く)











ジェシー
「HEHE、ほんとユーゴっていい匂い。
ムラムラしちゃう。」








ユーゴ
(クスッ)








(バシッ!)












ジェシー

「あ痛っ!

HEHE、よかった。」










@現在




ジェシー
「ユーゴの症状、
出来ることなら全部代わってあげたい。







そんなこと僕に言われたって、
えーって感じかな?







どんな関係だったんだろ。







僕にとっては一昨日出会ったばかりのすごく素敵な人なんだけど。






一緒にいる時の空気感というか。
雰囲気というか。






ただならぬものを感じるんだよな。









ただの友達ではなさそう。












何にも思い出せないや。。。







ごめんね、ユーゴ。









・・・・・・やっぱり。そうだよな。










いや、絶対そうだよ!
間違いない!!!
僕は…ユーゴのこと。








どうしよう、どうしよう。










ん、なんだこの雑誌?
これは、ボーヤがお家から持ってきてくれたやつかな?
ユーゴの愛読書??









ジェシー

「筋肉…?

ユーゴ、ムキムキの筋肉が好きなのかな?」









(自分のお腹見てみる)









(ポヨン)











ジェシー
「うわー、残念なダルダルお腹だ。
どうしてこんなに太っちゃったんだ?
こりゃ、人生で1番太ってるぞ。









僕が筋肉つけたらユーゴ喜ぶかなぁ。








サプライズで喜ばせてあげよう!







えーっと、トレーニングの方法は…









ヨイショ、ヨイショ…。」



















(ガラガラガラガラ…) ドアが開く










ジェシー
「あ、おかえり!
リハビリどおだった??









(エスコートして座らせる)










HEHE!
おーすごーい!
ちょっと右手良くなったね!
昨日より動いてるよ!!


すごーい、がんばったじゃん!






スマホ?






(ユーゴのジェスチャー)






紙とペン?










ユーゴ

[👌]











あ、文字書いてみるの?







あー!すごいすごい!
ペン持ててる!


HAHAHA!キレイに書けてる!





"こっせつ なおったみたい。
て が なおりはじめてきた。"






良かった〜!
これから少しずつ元気になってくるねぇ♪






"まだよみにくいね"





いやいや、こんなに書けたら十分スゴいよ!






にくじゃが?
今日のメニューかい?
夜の?
お昼は…ひみつか!AHAHA!









"きのうも きょうも こうカロリーだから。"






ありがとう。
健康にも気遣ってくれてるんだね。








そうだ、お口あーんしてみて。





声出る?」







ユーゴ
(ハァー)







ジェシー
「うんうん、ありがとう。

そうだ、言語聴覚士さんに教えてもらったんだー。

ベロ前に出して…」








ユーゴ
(ぐすん)









ジェシー
「あ、ごめん。嫌だった…?」







ユーゴ
(スマホを取りだす)


"いいや、こんなにほめてもらってうれしくて。
おれのためにれんしゅうのしかたまでおしえてもらってるし。

ごめん、こえはまだでるようにならなくて。



スッとかいわできなくてめんどくさいだろ?
ジェシーはさいごまでちゃんとおれのかいたやつよんでくれるけど。


ほんとにごめんな"


"だめだ おれ きのうから ないてばっかり。"









ジェシー
「ほら、昨日も言ったでしょー?

ユーゴは何も悪くない。
謝らなくていいから。




僕はユーゴのお話なら全部聞きたいの。
だから気にしなくていいんだよ。


焦らなくていいからね。


こんなに大変なことになって、身体の自由が効かなくて、つらくて泣いちゃうに決まってるよ。」









ユーゴ
"ありがとう。"


"でもさ、へんなんだよ。
あのときのこと、ゆめにでるかなとおもったんだけど。でなかった。"


"ジェシーがむしとりしてるゆめだった。"


"すげーでかい いもむし
 やいてたべたんだよ。"


"なんだろう、それもざんねんというか。
あんなたいへんなことがあって、たくさんひとがしんでるのに。
おれ むしんけいなやつなのかなって、おもって。
じぶんにしつぼうした。"






ジェシー
「見なくて良かったじゃん!
多分夢に見てたら辛かったでしょ?


そういう夢見たらすぐ言うんだよ!
トラウマ消しの魔法、使えるようになったんだ!
魔界学校の卒業論文で考えて、作ったんだよね。


悲しい記憶が少し緩和されるし、
僕も負のエネルギーを食べられるからお得なんだよ!」








ユーゴ
"え?あれ、そつろんだったの?"








ジェシー
「そうそう!
僕、白魔法…回復のセンスあんまりなくてさ。
黒魔法って攻撃の魔法だったら得意だから、そっちを回復に応用できないかって思ってさ。


人間の感情を食べる黒魔法を応用させて回復と身体の強化をするっていうのを編み出したの。


ほら、それなら人間食べない僕でも出来るでしょ?


それが最近悪魔が悪用しつつあるらしいんだけどさ。






ユーゴ
"された!
まえにそういうあくまにそうぐうして、ジェシーといっしょにたおしたよ!"

"わるいかんじょうをたべるために
わざとひとをきずつけてた!"








ジェシー
「そうだったんだ…!

僕の論文を悪用されるのはすごく心苦しいよ。

倒してくれてありがとう。




そんなことしなくても、悲しんでいる人にその魔法を使ったら。



魔物は回復と身体強化が出来る、
人間はつらいことが少し楽になる、


お互いにとっていいことになるでしょ?






だから、僕はその魔法をたくさん使っていきたいんだ。



強くなれなくてもいいんだけど、
大好きな人間たちの役に立ちたいから…。」









ユーゴ
"そのまほう まえにもつかったよ。"






ジェシー
「・・・・・・!!


うん、使ったことあるよ…。1回だけ。
僕のせいなんだ。


人を傷つけたくなかったのに…」










ユーゴ
"もうかぞえきれないくらいつかってる。
みんなたすけられてるよ。"








ジェシー
「HE?そうなの??」








ユーゴ
"おれもたくさんたすけられた。"

"でも。
かるいトラウマなら なにもなかったけど、
ちょっとおもたいトラウマだと まりょくをしょうもうしちゃって、かなりつかれきってたきがする。"

"もしかしておれのトラウマけした?
ジェシー、こんかいは めざめがはやかった。
そのせいでわすれてたりしないよね?"









ジェシー
「えー、まさかー。たべすぎて?
そんな副作用出るのかなぁ。
回復魔法として作ったのにー。


そうだ、僕たちの思い出話もっと聞かせて。
魔法の話以外にもさ!」










ユーゴ
"ジェシーにみせたいものがあるんだよね"








ジェシー
「なぁに?






あ、写真だぁ。
これも持ってきてもらったの?





この辺りに住んでたんだね。




赤れんが?ここにお出かけしたの?
ありゃ、それは大変だ。HAHA!






こっちは?
東京スカイツリー。







わぁー、高いねー。
ガラス張りだー、こわーい。







早くユーゴのこと思い出したいなぁ。
あのボーヤのこともさぁ。







僕、目を覚ましてからずっと。
僕たちどんな関係だったんだろうってずっと考えてたんだよね。




こうしている間にまた新しい思い出が増えて、今までのことが思い出しにくくなるんじゃないかって。

でも…頑張って思い出すから!」








ユーゴ
"あせらなくていいよ。"







ジェシー
「HEHE、僕が言ったことと同じこと言われちゃったぁ。




いやぁ、何ていうか、あのー。




僕…もしかして君のことが…。」








ユーゴ
(・・・!!)








ジェシー
「どうしたの?


なになに?これ?」










ユーゴ
"これかえす。
ジェシーのネックレス"









ジェシー
「これ僕の?指輪ついてる。」








ユーゴ
"たたかってるときにチェーンきれちゃって。
おれがあずかってた。
すこしずつなおしてた。"








(ネックレスを首に付けてくれる)










ジェシー
「HEHE、ありがとう。

たいせつにもっておくね。」








ユーゴ
"ジェシー、おれにプロポーズするのにゆびわかったんだけど、おれがことわって、けっこんしなかったから。"







ジェシー
「あら、そうなの…」







ユーゴ
"1かいゆびわすてちゃったんだぞ。
ともだちがひろってくれたからよかったけど。
ブランドもののたかいやつだから
だいじにしろよ。"









ジェシー
「Hai!だいじにします!」
(フラれた…告白するまえにフラれた)








・・・・・・。





うっ、うぅ…。










ユーゴ
"どこかくるしい?"


(ナースコールに手を伸ばす)










ジェシー
「だぁいじょうぶ!

薬が切れちゃっただけ!

また飲めばよくなるから…」










ユーゴ
(・・・!!

カバン開けて薬を探す)









ジェシー
「あぁ、こないだ全部飲みきっちゃったんだ…。

もうない…。」










ユーゴ
(ナースコールを押そうとする)









ジェシー
「あ、ダメ!
このままだと人襲っちゃうから!

ユーゴも逃げて!」








ユーゴ
(首を振る)










ジェシー
「ダメだ、もう、我慢できない…!!」








ユーゴ
(・・・・・・!!)















(続く)

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