のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第16話】
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実在のものとは一切関係ございません。
また、物語に登場するのど飴の名称は実在のものを使用していますが、効果・効能に関しましては実際のものとは異なります。
あらかじめご了承ください。
相葉
「ユゴちゃん。
どこ行っちゃったんだろう?」
卓巳先生
「医局の方には居なかった。」
看護師たち
「1階の外来にも居ませんでした。」
「2階にもいませんでした。
売店にも来てないそうです。」
「中庭にも居ません。」
「他病棟にも応援要請して、各病棟も探してもらってます。」
療法士
「リハビリ室にも居ませんでした。」
事務長
「失礼します!
防犯カメラの映像持って来ました。
ここに気になる人物が…
この、走ってる人物なのですが。」
相葉
「あ!この子です!ユゴちゃん…!
これはどこですか!?」
事務長
「南側の入り口です。
外に出てしまってます。」
卓巳先生
「かなり焦ってるな。
マサキ、この前に何があった?」
相葉
「さっきまでいたはずのダイゴくんが居ないねって話になって。
それでじぇすくんの方に行ったのかなと思ってさ、おれが隔離室に見に行ったんだよね。
でもダイゴくんが居なかったからこっちにすぐ戻って来たんだけど、ユゴちゃんがいなくなってて。
病棟内で探してるのかなと思って一周したけどどこにも居なくて…。
あぁ、なんでおれ離れちゃったんだろ。」
卓巳先生
「ダイゴくんって誰?
誰か知ってる?」
看護師たち
「いえ、わかりません。」
相葉
「え?
卓巳くん知ってるでしょ?
何ヶ月も入院させて精密検査してたし。
卓巳くんが前に町に来たときみんなと一緒に帰ってたし。」
卓巳先生
「あのときは…
ユーゴくんとジェシーと、
シンタローくんだっけ?ガッチリした子。
4人で帰ったけど。
入院してた?
カルテ見てみる。」
(カチカチ カタカタ)
パソコン操作する
相葉
「ユゴちゃんが食中毒で入院したとき2人部屋で一緒になったって。」
卓巳先生
「苗字は?何ダイゴくん?」
相葉
「あー、住民票何て登録したんだろ?
多分じぇすくんの親戚だから、
ルイスで登録してると思う。
前に使ってた偽名は
花輪ケイスケ。」
卓巳先生
「うーん、どっちで検索しても出てこないな。
ユーゴくんが入院した日のベッドか…
2人部屋に入ったけど隣は空いてたみたいだ。」
相葉
「なんで…。
看護師さんたちみんな可愛いって言って遊んでくれてたんだよ!」
卓巳先生
「どこの子?」
相葉
「ご両親探してるところで、ユゴちゃんとじぇすくんが家で面倒見てたの!」
療法士
「ユーゴくんはジェシーくんと2人暮らしだったはずです。
カルテに書いてありましたよ。」
相葉
「え?なんでなんで??
ダイゴくんと一緒に暮らし始めてもう何ヶ月も経ってるよ。
あ、ほんとだ。
カルテに書いてない…。
あ、入院の連絡先は?
おれ代わりに問診書いたときに、
ユゴちゃんの方は
①ユゴちゃんの実家(親)
②おれ(師匠)
③ダイゴくん(子)
で書いたよ。
じぇすくんのカルテの方にも
①おれ(師匠)
②ダイゴくん(子)
③タロちゃん(友人)
で書いたし。」
看護師
「連絡先は…
ユーゴさんは
①実家、②師匠、③は書いてません。
ジェシーさんの方は…
①師匠、②が未記入…!
③は友人の森本さんと書いてあります。」
相葉
「え、なんで??」
看護師
「おかしいですね。
連絡先3件は必ず書いていただいてますし、未記入がありましたら確認するはずです。」
相葉
「ほら!おかしいよ!
②番を空ける意味ないでしょう!
さすがのおれでもそんなミスしないよ〜!」
卓巳先生
「確かに…。それは思う。
お前なら連絡先なんて思い付いた順で書くだろうし、絶対3まで埋めるだろうし。
やっぱり順番変えよう!と思ったら、
矢印引きまくったり番号二重線引いて書き換えたりすると思う。
几帳面なようで肝心なところは大雑把だから、空欄にしてまでちゃんと順番決めて書く奴じゃない!」
相葉
「なんか色々気になるけど…そう!
おれ②番空けたりしないし全部埋めるから!
なにこれ?何が起こってんの??」
卓巳先生
「マサキ、ちょっと落ち着いて。
どうやら何か起こってるみたいだ。
マサキとユーゴくんはのど飴の不思議な力で守られているとしたなら、何か起こってるのは僕たちの方だ。
多分だけど。
記憶が改ざんされている。
改ざんの理由は多分、
そのダイゴくんという子に関係がある。
ダイゴくんは居なかったことにされなければいけない理由があって、それに気づいたユーゴくんが出て行ってしまったのかもしれない。」
相葉
「えー、よくわかんないよぉ…。」
卓巳先生
「ダイゴくんってどういう子なのか、詳しく教えて?」
相葉
「素直で頑張り屋さんで、
本当は甘えん坊さんなのに遠慮して我慢しちゃう子。
あと、泣き虫さん。
優しくてね。本当に良い子なの。」
卓巳先生
「性格というか…どこから来たとかそういう話💦
ご両親探してる経緯とかさ。」
相葉
「あっ。
タイムマシンで未来から来た子なんだよね。
魔物のお父さんと、人間のお母さんとの間に生まれたんだけど、両親が未婚だったの。
魔界は婚外子禁止・独身者の交尾が絶対禁止だから、ダイゴくんが生まれる前にはお父さんが魔界で逮捕されちゃって。
1歳まではお母さんに育てられたんだけど、日本政府の方針でお母さんとも離れ離れになっちゃって。
長らく魔界で孤児として暮らしてたんだって。
数年前には両親の知人に引き取られたらしいの。
60歳になってやっと人間界に来れて。
60歳とは言っても魔界じゃまだ6歳くらいの子どもなんだけど。
お母さんの最期を看取ったあとで、両親を幸せにしてあげたいって思って、たまたま見かけたタイムマシンで過去に戻って両親を探しに来てたの。
当時読み書きが出来なかったからお母さんの名前はわからない。
かなり衰弱してたからおじいさんなのかおばあさんなのかすらわからなかったって。
おれたちとは2人の訓練中に知り合って。
ユゴちゃんに一緒に両親探してって、お願いしたんだって。
それで一緒に暮らして面倒見てたの。
今回2人が入院してからはユゴちゃんの実家で見てもらってたんだよね。」
卓巳先生
「ということは、考えられるのは
- 実家やアパートに帰ったなど、この辺りにいる
- 両親が見つかってそっちに行った
- 未来に帰った
- 未来が変わってしまって、ダイゴくんが生まれない状況になって消滅した
のどれか。
記憶の改ざんやカルテの改ざんがあるということから、1と2は考えにくいのかもしれない。
3もさっき聞いた性格的にはナシかな?
挨拶はしていくだろうし。
1番ありえるのは…4かもしれない。
ユーゴくんの行き先は
もちろん未来には行けないだろうから。
一緒に住んでた部屋か、実家か。
両親を探していた場所とか、ダイゴくんが行きそうなところ。
子供の足ではまだ遠くには行けないだろうからこの近くから探すかもしれない。」
相葉
「おれ、探しに行ってくる!」
卓巳先生
「今15:00か。
まさき、17:00までに探せる?
17:00には次の処置があるから部屋にいるように言ってたんだけど。」
相葉
「え?まだ処置あるの?
じぇすくん何もしてないんだよね?」
卓巳先生
「魔物のことはわからないことが多すぎるから。
人間の身体を守るためにも、
対処に対処を重ねて行った方がいい。
今この時代で魔物の子どもを産むにはリスクが高い。
知らないことが多すぎる。
それに…ジェシーは逮捕されるんだろ?」
相葉
「そっか、そうだよね。
ダイゴくん、言ってた。
だから本気で止めたかったんだ。
自分みたいな子どもを増やさないために。」
@その頃…
ユーゴ
・・・・・・。
ユーゴの母からのLINE
"ダイゴくん?誰のこと?"
"ウチに子どもなんて来てないわ。"
"ユーゴの部屋に?居ないわ。"
(⚡︎prrrrr…)
⚡︎⚡︎⚡︎
「おかけになった番号は、現在使われておりません。」
(ガチャ)
ユーゴ
・・・。
(⚡︎ピロン)
(⚡︎ピロン)
(ポンッ!)
(ポンッ)
(ピロン)
(ピロン)
ユーゴ
(きた・・・・・・!!
って、2分しか経ってねー!!)
ユーゴ
(タイガが覚えててよかった…)
(ん、待てよ。ジュリ。
俺の面影あるってw
いやいや!ねぇだろ!)
(歩き始める)
相葉
「ユゴちゃーん!
居ないなぁ。
代々木駅にいるって聞いたんだけどな。
あと1時間半か。」
街の人
「わぁー!!!
魔物だ〜!!
魔物が出たぞ!」
相葉
「大変だっ!」
(⚡︎prrrrrr)
相葉
「ちょっ、誰!
卓巳くん!?」
⚡︎⚡︎⚡︎卓巳先生
「ユーゴくん探ししてるとこごめん!
もう1人探してくれ!」
相葉
「今魔物が出たから、」
⚡︎⚡︎⚡︎卓巳先生
「だよね!
その魔物に上手いことユーゴくん見つけさせて生け捕りにして2人まとめて病院に!
頼むぞ!」
相葉
「え?そんなぁ!」
(⚡︎⚡︎⚡︎プープープープー)
卓巳先生
「鎮静…してたよな。」
(続く)
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