のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第23話】
※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実在のものとは一切関係ございません。
あらかじめご了承ください。
@翌日の昼過ぎ
ジェシー
「HEHE!ユーゴ!
まだ目開けちゃダメだからね〜。」
ユーゴ
「な、なんだよ〜?」
ジェシー
「だぁいじょうぶ!こわくないからね。
僕についてきてくれたらいいから。
はいはい、手離さないのー!!」
ユーゴ
「お前さぁ?なんでそんな元気なわけ?
俺の悪いものいっぱい食ってくれたんだろ?
身体壊すからさ、頼むから寝てくれよ。」
ジェシー
「僕だっていろいろ考えちゃうもんねー。
だから寝れないの!
HEHE、今日はいい天気だね〜。
あーごめん!まだ目開けちゃダメ〜。」
ユーゴ
「天気良いのは目開けなくてもわかるわ!
だって暑いもん!」
#東京都渋谷区代々木
#9月上旬
#14時
#晴れ
#33℃
ジェシー
「HEHEHE、そりゃそうだ。
はい、着いた〜!
目開けていーよぉ〜。」
ユーゴ
「わ、眩しい・・・中庭?」
ジェシー
「キレイなお庭だよねー。
お花いっぱい咲いてるんだよー。
ここで一緒に日向ぼっこしようかなー、なんて。」
(ぼ〜)
(ぼ〜〜〜〜〜〜)
(ぽわぽわ)
・・・・・・
ユーゴ
「ちょっとくつろぎ過ぎじゃない?
セリフなんにも言えない。」
#おい
#セリフって
ジェシー
「たまにはこういうのもいいよね〜。
HEHEHE、お庭デート♡」
ユーゴ
「だなー。
お花見できちゃうな。
桜じゃないけど。この辺花壇あるし。」
ユーゴ
「そうだ。
実はこれ、持ってきちゃった…。」
ジェシー
「AHAHA!おまんじゅう!?
さっき売店で買って、あとで食べるってポケットに入れてたね!」
ユーゴ
「そうそう、ここの豆大福がお豆たくさんで美味しいよって看護助手さんが言ってたからさ。
俺たちついつい買っちゃったんだよね〜。
はんぶんこして一緒に食べよ。」
ジェシー
「僕さっき食べちゃった!
ユーゴ食べなよ?」
ユーゴ
「俺お昼ご飯食べたばっかりだし、ちょっとでいい。
はい、どーぞ。」
ジェシー
「HEHEHE、ありがとう。」
ユーゴ
「うっま!
本当にお豆ゴロゴロ。美味いわぁ〜!」
@その頃・AYBERの病室
相葉
「ふふふ、かわい〜。
おれの弟子たち超かわい〜。」
AYBER
「元気になったみたいで良かったけど…
あいつら何やってんだ?」
相葉
「そりゃあ中庭デートでしょ?」
BIG-NO
「お前さぁ、恋愛ドラマの見過ぎなんじゃない?」
MJーⅡ
「窓ガラスベッタベタだよ。
そんなに近寄んなくても見れるでしょう。
4階なんて近寄ったところでサイズ感変わらないし。」
相葉
「自分で掃除するもん!
じぇす君が一晩かけてユゴちゃんのネガティブ感情を食べきって、とどめにこうして元気付けようとしてるんだよ〜。
良い子だよね〜。
あ、そうだ!
兄ちゃん、砂漠で使ってる双眼鏡あるよね?
借りるよ!!」
AYBER
「おん。」
相葉
「あー、見て見て!かわい〜!
おまんじゅうをあーんしてる!
尊い。ゆごじぇ尊い。」
特級兄さん達
「弟子への愛が凄い」
「もはや変態の域」
BIG-NO
「おい、そろそろ本題に入るぞ。
敵はNo.35530、ジェシーの兄のズドン・ヒカル・ジョージってことだな。
魔界の第一王子、魔王の息子。
とにかく魔力が強いということになる。」
MJーⅡ
「20年前の人間界襲撃の情報から、火力が強くて一度に大勢を襲えることもわかっている。
今回も同じような手口だ。
おそらく前回は人間の捕食が目的。
今回は弟のジェシーを殺そうとして人間界に来たってことか。
それに、相棒のユーゴのことも知ってる。
婚約者という認識らしいから、魔王がジェシーとの結婚を画策してユーゴを連れ去ってきた話をなんとなく耳にしてたんだろう。
何で弟にそんなことしようとしたのか…」
AYBER
「信じられない。弟を?殺す?
はぁ?ありえない。
理解に苦しむ。」
相葉
「弟想いのアニキには絶対理解できないねー。
あ、あのね!!
そういえば、じぇす君!
前は絶対に跡継ぎたくないって言ってたの!
跡継ぎが嫌だし、大好きな人間界と人間を傷つけるのも許せないし、とにかく魔界のやり口が大っ嫌いだから家出してたらしいんだよね。
最近は…なんか魔界を改革しようと思ってるみたいなの。
魔界に文句があるなら魔王にならないと何も出来ないって…。
それ、関係ないかな?」
BIG-NO
「後継者問題ってことか!
あるかもしれない。
兄貴は国王になりたい。
それなのに弟がなろうとしてる。
弟の邪魔をしようとしてると考えたら…。」
AYBER
「だからって殺すか?
ありえない。信じられない…。
改革以上の意志もなくそこまでして王になりたい意味がわからない。」
相葉
「悪魔との遭遇率高いんだからそろそろそういう発想に慣れてよ。
そんな強い敵をこの4人で倒すには…。
どうすればいいかな?作戦というか。」
MJーⅡ
「新人2人には戦わせないのか?師匠。」
相葉
「うん。絶対ダメ。」
BIG-NO
「あいつら、新人とは思えないくらい強ぇぞ?
ヒーローになったらすぐ飛び級もあり得る。
お前が心配する必要ねぇと思うけど。」
(コンコン)
AYBER
「あ、検温の時間だ。」
相葉
「だって、2人とも狙われてるし。
本気で殺しにかかってくるかもしれないし。
おれさ、弟子に迎えたけどやっぱりこっちの世界に連れてきちゃいけない子たちだったかなって。。。
さっきの姿見たでしょ?
おれはね、2人にはおじいちゃんになっても幸せに笑っていて欲しいの。
こんな危ないとこ来ちゃいけないの。
それに…ダイゴくん。
今どこにいるかわからなくなっちゃったけどさぁ。
今回こんなことになって、すごく悲しんでて。
2人には絶対に死んでほしくない、って泣いちゃってさ。
そのときユゴちゃんがね。
絶対に死なないから
って、約束したの。
だから…っ!!
こんなことしてたらいけないのっ…!」
AYBER
「まさきー。
泣いちゃってるけど多分お前にあの子たちを止めるのは無理かもしれない。」
MJーⅡ
(小声で)「ほら、そこ。」
相葉
「あ、、、
いつの間にいたの??」
AYBER
「検温にきた看護師さんかと思ったら、若いアンチャン達だった。」
相葉
「あ〜、みっともないくらい泣いててごめんね〜。」
ユーゴ
「いえいえ!そんな!
相葉さんはすごくかっこいいです!
ヒーローとしても、人間としても、すごく。
人類のあるべき姿だなって思います。
こんなに誰かのことを想えて、こんなに誰かのために泣いてくれるんですから。」
ジェシー
「HEHEHE、僕はすごい人のとこに弟子入り出来たんだね!
すごく幸せ者だぁ!AHAHAHA!」
相葉
「もぉ!」(泣)
AYBER
「よかったなぁ。
お前の溺愛は一方通行じゃなくて(笑)」
ジェシー
「HEHEHE、愛されてんだなぁ。」
BIG-NO
「さっきそこで中庭デートしてんの双眼鏡で見てさぁ。」
相葉
「それ言わないでぇ!」
ユーゴ
「見られてたっ///」
ジェシー
「師匠。僕、戦いますよ。
僕と兄ちゃんの問題にみんなを巻き込むわけにはいかないよ。
ただのキョーダイ喧嘩だからさぁー。」
ユーゴ
「俺はジェシーのお人形なので一緒に戦います!」
ジェシー
「だぁめ!
洗脳魔法は今回使わない!!
兄ちゃんとタイマンする!!」
ユーゴ
「俺だってあいつに腹立ってんだから、受験生1人1発として最低50発は殴らせろよ。
あいつに殺された仲間の無念を晴らせるのは俺しかいないんだよ。
しかもダイゴがあいつに連れ去られてたらどうすんだよ。
だとしたらゼッテー居場所吐かせてやる。
ってことで、相葉さん。お兄さん達。
僕たちで戦いたいです。」
相葉
「待って…。
おれも昔、一緒にヒーローを目指してた仲間がみんな殺された。
風邪引いちゃって授業休んで寮で寝てたおれとヤッターマンだけ生き残った。
今更だけど、おれも仲間の無念を晴らしたい。
おれはずっとあの日の記憶がないことを理由に20年近く逃げてた。
でも、もう逃げていたくない…。」
AYBER
「まさき…。
俺たちだってあの日、こないだみたいにあの現場で救護活動に来てた。
あの凄惨な現場を見たら、しかも弟の仲間だと思ったら、他人事じゃない。
俺たち全員にあいつと戦う理由がある。」
MJーⅡ
「って、AYBERはかっこいいこと言ってるけど、救護活動すっぽかして最初に弟の面会に行った挙句、大勢死んでるのに大笑いしてたんだよな。」
BIG-NO
「ありゃサイコパスかと思った。
AYBERのあの姿は一生忘れられない。」
相葉
「え?何それひどい!
不謹慎だよ!!
おれはあんなに弟子の無事ばっかり祈って、無事がわかったときに良かったと思っちゃったことにすごく後悔して、
ヒーロー辞めようとまで考えてたのに!」
ユーゴ
「そんなぁ!」
AYBER
「そんなこと思わず、
俺は弟が助かって良かったと思ったよ!
世界中の誰が助かろうが、俺にとっては弟が死んでたら何の意味もない。
それでも特級戦士にまでなったんだよ!
www笑笑
ごめん、思い出し笑い。」
相葉
「は?」
MJーⅡ
「まぁまぁ、確かにあの時のお前は…」
@20年前・病院
(バタバタバタバタ)
BIG-NO
「おい、落ち着け!」
AYBER
「落ち着けるわけねぇだろ!
まさき、まさき…!!」
医師
「相葉まさきさんのお兄さんですか?」
AYBER
「そうです!弟は?弟はどこにいますか?」
医師
「こちらです。」
AYBER
「…!
まさき、大丈夫か…。」
医師
「今は高熱による意識障害が強く、話せる状態にありません。
多分魔物にも遭遇していると思います。
返り血を浴びたようなので。
高熱で眠っていた中、ルームメイトと2人で無事に逃げてこられたようです。
他にも協力者がいたとは思うのですが」
AYBER
「まさき、、、」
相葉
「…だるい。くるしい。
…かゆい。
かゆい!かゆい!かゆい!
かゆい!かゆい!かゆい!」
AYBER
「どうした?」
医師
「全身蚊に食われたようでして。
まさきくん、さっき痒み止めの注射しましたからね!
すぐ効きますからね!」
相葉
「かゆい!かゆい!かゆい!
ムヒちょーだい!
ムヒ!ムヒ!」
@現在
AYBER
「笑わないわけないだろw
笑わせたのお前だからなw
高熱で意識障害あるって言われてんのに、熱のだるさより蚊に食われた痒みで苦しんでんだぞw
年齢1桁のときと変わってねぇじゃん!」
ユーゴ
「相葉さん、そんな中ちゃんと逃げられたの凄いですね。
魔物に遭遇してるのに。」
相葉
「あ、うん。今度その話するね。」
ユーゴ
「ところで…今日はジェシーの作戦を伝えにきたんですけど、今いいですか?」
相葉
「ちょっ、まっ、メモ!メモ!」
特級兄さん達
「あ、ちょっと待って!」
「売店のレシートは?」
「それ小さい!」
「はい、あった!」
「それWi-Fiのパスワード!」
「ラミネートされてるし!」
「あった!メモ帳!」
「しわしわ!」
「なにそれ?絶対洗濯しただろ?」
「してねー!風呂に落としただけたから!」
(続く)
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