のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第24話】




※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実在のものとは一切関係ございません。
あらかじめご了承ください。









@1週間後…お昼過ぎ







医療スタッフ
A「カツカレー美味しかったー。」
B「私も明日カレーにしようかな。」
あ、そういえばヒーロー協会の記者会見って今日だっけ?」
A「そうそう!14時からね。」
B「もうすぐだ!」
A「ウチの病棟に入院してるヒーローも1人出席でさ。」
B「若い方のヒーローだっけ?
おじさんも入院してるよね?」
A「ピンピンしてるおじさん達は整形外科だね。
魔物だから仙人みたいな歳なんだけど、魔物のお兄さんが今日会見で喋るんだって。」
B「病棟に魔物いるの怖くない?」
A「ぜんぜん!
本当に純粋で目に一点の曇りもないんだよ!
優しいし、面白いし、たまにイケメンポーズしてくれるし。」
B「あ!ウチの病棟に遊びに来たときに、それやってたかも!かなりウケてた!!」
A「そっちでもやってんのw
小児外科で子どもと遊ぶとこまでは良い人なのに〜やーほんと面白い人。
今日の会見に備えてなのか、

"14時から会見なのでお出かけしますが、お昼ごはんは食べます!"

って1週間前から病棟スタッフに言ってんの(笑)
記録見たらみんな各勤でそれ書いてるよ。」

「なんかかわいい。

食欲旺盛だね。
手違いでご飯出なかったら泣いちゃうじゃん(笑)」
「栄養科で出してくれなかったら詰所費で奢るしかないね。
しかもお出かけって、会見場所は中庭なんだけど。」
「院内なら外出扱いにもならないw」
「あ、今日どっか行かない?」
「多分今日は残業になるんだー!」













ジェシーの兄
「フッ、マサヤ。何を話すつもりだ。


王位の継承について言及するのか?


自分は魔王の息子で、問題を起こした奴は同じく王位継承権を持つ兄で。
自分が次期魔王になるから、事件を起こした兄を非難すると?







中庭はここか。








(ガチャ…)







・・・・・・!!








これから会見だというのに、なんの用意も無いのか?
中庭ってここじゃないのか?」









ジェシー
「バッチリ用意してあるよ!
ヒカル兄ちゃん!」







ヒカル
「マサヤ、いたのか。


これのどこがバッチリ用意してあるんだ?
記者に草の上に座れって言うのか?」










ジェシー
「記者会見ねー。
ちゃんと兄ちゃんの耳に入ってくれたんだねー。
良かった良かった。」







ヒカル
「あぁ、おまえの噂は大体聞いた。

相棒に惚れ込んでて、抑制剤常備させてる話も。
今日の昼ごはんは食べると1週間言い続けた話も。
小児外科病棟で子どもの遊び相手になってる話も。
院内でイケメンポーズとかいうのをやって笑いものになってる話もな。



恥知らずめ。」







ジェシー
「みんな言い過ぎー!」







ヒカル
「食堂の前は噂話が多いからな。
お前も人との関わり方と話す内容は気をつけろ。


会見も話す内容は気をつけろよ。」







ジェシー
「会見ねー。
僕がおしゃべりするのは記者の人にじゃなくて、兄ちゃんになんだ♪」









ヒカル
「お前…!
俺をはめたのか?」








ジェシー
「そう言ったら来てくれるんじゃないかと思って。
でも本人に直接教えられないから、病院の皆さんに協力してもらって、1週間かけて噂を広めてもらったの。






ちゃんと話すのは20年ぶりだよね?






兄ちゃんとは話したいこといーっぱいあるんだぁ〜。






こないだたくさんの人を犠牲にした事件のこととか。







20年前の事件のこととか。






こないだのことは記憶失って覚えてないけど、20年前のことは途中まで覚えてるんだよ。






兄ちゃんはなぜあのとき僕を現場に連れてったんだろう。
それが今もわからなくてね。




「お前もそろそろ意地張ってないで人間を食べろ。
罪悪感を捨てないと卒論を書いたところで落第するぞ。
とりあえず今日は俺を見るだけでもいい。」
とは言ってたけど。

結構しつこかったね。







よくよく考えたら場所はヒーローしか居ない場所。
人間を食べるには難易度が高い。
僕たちを捕らえる立場のヒーローを減らす目的があったとして、初心者を連れて行くにはリスクの方が高すぎる。




ただでさえ魔物の僕は狙われやすい。
しかも騒ぎを起こして混乱の中で魔物を見つけたら…
生存者は仇のように僕に襲いかかってくる。


そう考えてたんだとしたら、前回の事件の目的は単に人を食べに行くだけの話じゃなくて。


今回のような目的でもないとに強引に誘いになんて来なかったと思って。












僕は100年前から家出して森の中にいて。

あの時は卒論を終わらせないといけなくて、日々時間に追われて忙しかった。



そんなところをわざわざ誘い出してまであそこに連れて行ったのは。
あの頃から僕のことが邪魔だった。


ぼくが王位継承権を放棄していたにも関わらず。






…多分、Daddyだね?

あのとき、Daddyが僕を王にするとか何とか言ったんじゃない?」








ヒカル
「ご名答だ。
勉強はしてこなかったけど、他人と遊び呆けてた分、観察眼は培われてたんだろうな。
結構モテてたし。」









ジェシー
「兄ちゃんは、どうして王位継承したいの?
そこは僕わからない。」








ヒカル
「決まってる。
王室の平和のためだ。

王室が嫌いなお前には、絶対に王室を守ることなんて絶対にできない。」






ジェシー
「王室守ったって国民が救われてない!」






ヒカル

「王室も守れないで国民が守れるか!



物資が王室に届かなければ王室は弱体化する。
王室が弱体化したら、食糧も住居も資源も全て取り合いになる。



あの国は無法地帯になるんだよ!









王室の威厳を保つためにも父さん…魔王陛下の王政のまま続けていかないといけない!


お前のようなみんな仲良く、魔族も人間も、
…みたいな甘っちょろい考えで国が守れるか!」









ジェシー

「大丈夫!絶対できる!」









ヒカル
「その根拠のない自信は魔力で俺に勝ってから言え!」







(バァン!)












ヒカル
「・・・・・どういうことだ?



魔法が当たったところ、どこも壊れてない。」













(続く)

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