のど飴戦士アイバチャンSeason12 【第20話】




※これはフィクションです。
登場する人物、場所、団体等は架空のものであり実在のものとは一切関係ございません。
また、物語に登場するのど飴の名称は実在のものを使用していますが、効果・効能に関しましては実在のものとは異なります。
あらかじめご了承ください。















@AYBERの病室










ユーゴ
「…すごい、すごすぎる…。」

(絶句)











ジェシー
「すてきなお部屋ぁ…。
こんなすごいお部屋があるなんて…」

#採光も最高
#眩しいのちょっと苦手
#魔物だもの












AYBER
「俺たちは軽傷だから余ってる部屋に入れてくれればいいって話したら、
余ってるのがこんな立派な部屋しかなかったんだってさ・・・。」








MJーⅡ
「いいよなぁ。
俺の部屋もデカいけど、ここはテレビ2台あるし、キッチン付いてるし、電話もファックスも…応接セットまで付いてんだよ。
桁違いだよなー。」








BIG-NO
「よく言うよ〜。
お前んとこはオイラんとこよりいいじゃん!
こっちは風呂なしのシャワー室だけだぜ?
パソコン、Blu-rayプレーヤー、ソファー、電気ケトル…オイラの部屋にはない!」








相葉
「病室についてやいのやいの言ってるけど、全員個室の特別料金払ってないんだけどね。

しかもみんな労災だし。」




#病院都合の個室
#本来1泊ウン十万円
#福利厚生充実のNPO法人



ジェシー
「え?個室ってお金かかるの?
2人部屋は大丈夫??」


ユーゴ
「俺たちただ受験しに行っただけの一般人だから労災とかないですよね?」



相葉
「ヒーロー協会で全部払ってくれるって。
そりゃそうよ、預かった子たち怪我させたんだからタダじゃおかないよ。


それに君たちもお金かかる部屋なんだけど、治療の一環として病院都合で入ってるから個室料金取らないみたいだよ。」




ゆごじぇ
「よかった…」







(まだ部屋についてガヤガヤ言ってる特級兄さんたち)






相葉
「とか、何とか言ってるけど。
みんな個室落ち着かなくて結局1部屋に集まるんだよ?
仲良すぎじゃない?


差し入れにトランプ持ってきたら朝から消灯までババ抜きしちゃってさぁ。


このオッサンたち修学旅行みたいな生活してんだよ!」












BIG-NO
「いいだろ?楽しいぞ?

お前ら兄弟だって、付き添い家族枠で泊まるくらい仲良しじゃねーか。

俺たちとババ抜きして負けてくれるし。」










相葉
「みんながババ抜き強いだけですぅー!
わざと負けてるわけじゃないもん!


3年ぶりの再会だしさ、積もる話もあるもんね〜。」





#Season6以来





AYBER
「お前は

お店の常連さんの話と、

弟子のラブラブエピソードと、

恋愛ドラマの話

しかしてないんだけどな。




…相棒の家が汚い話もあったか。」









相葉
「魔物の話だってちゃんとしたもん!」










AYBER
「あー、あったっけ?

そうだそうだ、強い魔物と戦ってるとき苦し紛れにパンチしたら、その後面白がられてパンチ合戦になった話だ!」










ジェシー
「す、すごい…!
魔物とパンチ合戦!!」












MJーⅡ
「それお前の話だってさw
結局は愛弟子の話じゃねーかwww」








AYBER
「いい意味でガキんときと何も変わんないね。

身体中蚊に食われて、掻きながらベソベソしてた頃と一緒!」











相葉
「待って、それ40年近く前の話でしょ!?
ちょっと、弟子にそんなこと言うの恥ずかしいんだけど!」









ユーゴ
「僕たちの訓練中にそんな状況を目の当たりにしてるので大丈夫です!」











BIG-NO
「弟子はもう知ってるってさ」







 MJーⅡ

「結局40年近く変わってないじゃん!」







(大笑いする特級兄さんたち)











相葉
「みんなしてひどーい!


ここに泊まる1番の理由はこれだもん!」








(指差す)









ユーゴ
「キッチン?」








相葉
「付き添いベッド付いてるし。
お風呂あるし。

あぁ、おれの生活にはないものばかりの良いお部屋〜。」










AYBER
「車中泊なんてしないで賃貸借りたらいいのにw

保証人要るならいくらでも書類持ってこいよ!」









BIG-NO
「ケチケチしないで普通の家で疲れ取んなよ。
お前だって40年前と変わってなくても、本当はもう若くねぇんだから。」









相葉
「そうだよねー。
それでもさぁ、もうおじさんになったし加齢臭もしてくるだろうからキッチンカーの匂いには気をつけないと、と思ってさぁ、最近車の横にテント張って寝泊まりしてるんだよ?


みんな、加齢臭のするキッチンカーから食べ物なんて買いたくないもんねー。」









ユーゴ
「ぜんぜん、おじさん感ないのですが…。」








ジェシー
「すごいいい匂いだよ!
鼻の効く魔物が言ってるから間違いないもん!」







ユーゴ
「それは、のど飴のフェロモン効果だと思うけど。笑笑」










AYBER
「さぁ、ユーゴ。
1番いい特等席に座ってさ、さっきの話の続きしよう。」









ユーゴ
「はい…。




(ソファーに座る)






あのとき…。」












@事件当日










ユーゴ
「うぅっ…。
ハァ、ハァ、ハァ、」









相葉
「ユゴちゃん!?」









ジェシー
「ユーゴ、だいじょうぶ?
落ち着いて…。」









相葉
「今日はやめよう」










ユーゴ
(ヒュー、ヒュー、フー、)









ジェシー
「ユーゴ?
まさか、また声出なくなった?」









ユーゴ
(頷く)









ジェシー
「辛かったね。怖かったね。
大丈夫だよ、僕がついてるからね。」









ユーゴ(スマホで打ち込み)
"ごめんなさい。
これで書きます。"








ジェシー
「無茶しないで!」









BIG-NO
「だめだ、やめよう。
まずは心身の健康が第一優先だ。」











ユーゴ
"だって、敵が近くに来てるんだからみんなに伝えておかないと。"

"討伐の参考になるかもしれないし。"

"あの現場でまともにやり合ってたの俺たちしかいない"」








BIG-NO
「お前の記憶まで失われたら流石にまずいだろ?
お前の師匠だって似たような事件に巻き込まれてつい最近まで記憶失ってたんだぞ。」









ユーゴ
(???)







相葉
「そうなの。
あ、でもあれ思い出したからわかったの。
ストレスとかショックが原因じゃなかったんだけどね。」











ユーゴ
"そうだ。
ジェシー、俺の悪いもの食べて"










ジェシー
「え?食べる?



・・・・・・。




あ、魔界学校の卒業論文!

人間と魔物がウィンウィンになる、

負のエネルギー捕食に伴う魔力強化と回復についてだね!!

あれ、実用化してたんだ…!
やってみるね。」









(パァァァァァ)













ジェシー
「すごい…まだまだある…。
結構食べた形跡はあるんだけど。」









ユーゴ
"やっぱり。
今までこんなことにならなかったの、
ジェシーのおかげだったんだ…。"


"でもお前たべすぎたらだめだ。"







ジェシー
「HE???」







ユーゴ
"弊害というか…
たくさん食べたあとはちゃんと寝ないと、変になる。"









相葉
「あー、じぇすくんあんまり寝てないかも。
あのとき病院に運ばれて1時間くらいしか寝てない。」









ユーゴ
"記憶失ったの…そのせいかも。
ごめん…ジェシー。"










ジェシー
「HE?だぁいじょうぶだよ!
寝たらいいんだもんね!」











ユーゴ
(はぁ、はぁ、)









ジェシー
「よしよし、ゆっくり息して。」(トントン)








AYBER
「ユーゴは少し休憩してな。
俺たちが知ってる話は全部お前らの師匠には共有したんだよね。」













@事件当日




-たまたま拠点を離れて東京に来てたんだけど。



⚡︎⚡︎⚡︎上級戦士用無線
「魔物が出現。魔物が出現。
場所は渋谷区代々木の本部・屋外練習場。
ヒーローの実技試験現場にて甚大な被害を受けている。
都内近郊にいるヒーローは至急、救援に向かってください。」









BIG-NO
「応援要請か。
よし、行ってくるか。」







AYBER・ MJーⅡ
「はいよー。」










@事件現場





MJーⅡ
「地盤歪みすぎじゃない?
方向感覚失われるわ。」







AYBER
「わかるのは…
ここにいる魔物、只者じゃないな。」








BIG-NO
「この感じ、前に見たことあるよな?
過去に暴れた奴じゃない?

No.35530…。」







MJー2
「そういえば討伐されてないよな?
前にもここで暴れて、アイバチャンの同期全員やられたろ?」








AYBER
「確かに。
早く見つけないと被害者が増えていく…」













「アアアアアアアアアア」











BIG-NO
「そっちか!いくぞ!」











(バキバキバキバキ…

ドカーン!!)











一同
「雷?」










-そこで俺たちが見たのは…


走り去ろうとする魔物。

折り重なるようにして倒れてる2人だった。













MJーⅡ
「逃すか!」







(発射)









(ブワァァァ!)










MJーⅡ
「クソっ!攻撃で打ち消しやがった!」








(ドカン!)







MJーⅡ
「わっ!やられる!」







BIG-NO
「大丈夫か!?」







MJーⅡ
「かろうじて受け身は取れた。」








AYBER
「既に結構なダメージは受けてるみたいだ。
動きは遅い。


こうなったら接近して、







喰らえ!









(かわす)








(ドカン!)











AYBER
「ウッ…。」










BIG-NO
「おい!大丈夫か!



俺に任せろ!









魂のパンチを喰らえ!」











(ドカン!)













BIG-NO
「うわっ」









AYBER
「逃げた…」








3人
「ハァ、ハァ、」









-本部に魔物の逃亡を連絡。
敵の怪我の具合からおそらく回復までは戦闘力の高いヒーローへの危害はない可能性があるため外部へのみ警戒は続けてもらい、俺たちは室外練習場の中で救助活動を始めた。







MJ2
「誰か、生存者はいないか!」







AYBER
「あ、さっきの雷…」









-雷のようなものが見えたところがあった。
その技を放った人は生きてるとしたならば…


そう思って、最初に救援に向かったのはこいつら。








 MJーⅡ
「何だこのモヤ?視界が悪い。」






BIG-NO
「いたぞ!

おーい!聞こえるか?
今助けてやるからな!」








ユーゴ

「ア"ア"ア"ア"ア"」








ジェシー
「ユ-ゴ ユ-ゴ…イタイノ、イタイ、ノトンデケ-」
(パァァァァァ)魔法発動中








AYBER
「そうだよな、腕、痛いよな。


この子、腕が切断されてる…。
その割に出血はそう多くない…助かるかもしれない。



もう1人は…

なんだよ、魔物かよ。」









MJーⅡ
「頭…潰れてる。」









ジェシー
「ハァハァ、モウチョット…nn…」
(パァァァァァ)魔法発動中








MJーⅡ
「まだ息してるぞ!
残ってる魔力で回復されたら厄介だ…」
トドメさすか…。」







BIG-NO
「こいつ、何か魔法使ってる。
負のエネルギーを食って回復に使ってるのか?


…でももうムリだって。
黙っててもコイツは死ぬ。
回復速度の限界だ。」







MJ2
「ひとまず隔離した方が安全か?」







「せーの!」







BIG-NO
「おい兄ちゃん、オイラの肩に手乗せられるか?」









-俺たちは2人を引き離し、人間の若い青年だけ搬送しようとしたんだけど…」








ユーゴ
「ンン、ジェシーどこ?ジェシー…。」

(左手で探るような動き)








BIG-NO
「ジェシー?
走馬灯でも見てるのかな?

そこにいるのは魔物だ。
仲間や友人な訳はない。

さっきより弱ってきてるしマズいかも。
急ごう!」









ジェシー
「ユーゴ、マモレナカッタ。
ユーゴヲ…タスケテ…。」







(動く)







BIG-NO
「まさかお前、人間庇ってそうなったのか。
良い魔物だったんだろうな。
人間界を代表して礼を言う。
ありがとう。
お前の意志は無駄にしない。
お前の名前は…」
















ジェシー
「ユーゴ…ユーゴ…」








BIG-NO
「ユーゴね…

って、こっちの子の名前じゃないの?」









ジェシー
「ハァ、ハァ、ユーゴをハァ助けて…
僕はハァいいからハァハァ…ユーゴをハァハァ」










BIG-NO

「お前の名前聞いたんだよ」










ジェシー
「ジェシーハァハァ。ルイスハァジェシー。
ゴメンナサイ…。」









MJーⅡ
「死ぬ前にキレんなよ。可哀想だろ。
せっかく人助けしてくれたのにさぁ。」









AYBER
「ジェシーはお前か。
離しちゃったな、ごめんな。




ユーゴ、ジェシー…
待て、お前ら…。

お前ら2人ともアイバチャンの弟子の受験生だな?」









ジェシー
「ハイ。ハアハア アイバチャン。ハアハア
アイバマサキ さん。ハア
マーチャン。ハア
シショー。ハアハア

ショーサンハァ、も、シショー。」







AYBER
「わかった、もういい、もう喋るな。

一緒に来い!」

立てるか?」










ジェシー
「ハァハァハァハァ」
(首を振る)








AYBER
「1人でも多く救助したいし、お前には聞きたい話が山ほどあるんだけど、
こちとら怪我人だから、多少は頑張れ。

こんな大怪我してんのに悪いな。」







ジェシー
「Hai…」






BIG-NO
「魔物も助けちゃうんだ。」







AYBER
「こいつ、前に話したアイバチャンの弟子。
魔物と戦う魔物だ。


悪い魔物じゃない。
あいつの魔物を見る目と教え方に間違いはないと思う。


さっき敵を負傷させたのもおそらくこいつだ。」









ユーゴ
「ジェシー…」





ジェシー
「ユーゴ…」








AYBER
「え?ジェシー、支えなしで歩き出した。」







MJ-Ⅱ
「歩いたどころか、ユーゴを横抱きしたぞ。」






BIG-NO
「文字通り、この子のためなら何でもできるってわけか。」









(パァァァァァ)魔法使い始める










ジェシー
「ユーゴ…僕が守るからね。
あとで炊飯器…押しにいくから…」








一同

「炊飯器?」










ユーゴ
「大丈夫かなぁ…炊飯器。」









一同

「炊飯器??」












ジェシー
「炊飯器…シンパイだね。」







ユーゴ
「炊飯器…。」








 MJーⅡ
「2人揃って炊飯器に何か未練があるみたいだな。」







AYBER
「とにかくコイツらは人間界の切り札だ。

2人とも助けるぞ!
絶対にだ!





えっと。ユーゴ、ポケットの中を見せてくれ。








(ガサゴソ)









あった。飴。

お前ら、これを舐めろ。

これで少しは回復が早まるはずだ。」









MJーⅡ
「頭の傷が治ってきた。
これ、味覚糖のど飴?
アイバチャンのやつか。」








AYBER
「本部の中に救護班が来てるはずだ。
ドクターもいるから、そこまで頑張れよ。」







(ガチャ、ギィィィ…)






卓巳先生
「生存者…君たちみんな生きてたんだ!」







BIG-NO
「AYBERそっくり。
オイラ、目疲れてんのかな。」







卓巳先生
「はとこです。
相葉兄弟と似てるってよく言われるので正常ですよ。





搬送順位の判定のためにタグ付けさせてくださいね。

3人とも緑タグです。






こちらの方は…






・・・!?

ユーゴ、ジェシー!








酷い怪我だ…。

ジェシー、もう大丈夫だから。
ユーゴを下ろして座って。」








AYBER
「先生、こいつらと面識あるんだ。」







卓巳先生
「マサキのとこによく行ってるから、弟子入り前から知ってる。


ジェシーは魔物だし、ユーゴは特殊体質だからウチの病院で研究対象になってて、VIP患者さんなんだ。




良くがんばったね。







ジェシーは診察するまでもなく赤タグ。








ユーゴくんも損傷が酷い。
右腕が切断されてる。





ちょっとお腹押すよ。」







ユーゴ

「アアアアアアアアアアア」









卓巳先生
「内臓も損傷してる。
修復はしてるみたいだけど。

骨折も全身にある。」







AYBER
「おそらく犯人の魔物と直接戦っていた。」








卓巳先生
「生命に支障の出る大きな怪我から修復されてるみたいだな。




すぐ治療始めるからね。





ユーゴ、赤いタグ付けさせてね。」







ジェシー

「先生っ!」






(グッ)
腕を思いっきり引っ張る







(パキッ)









卓巳先生

「痛ぁっ!」








AYBER
「脱臼した?」










ジェシー

「ユーゴを助けて!

指輪なくしちゃった!

あと、炊飯器…」














卓巳先生
「ジェシー?ジェシー!?
炊飯器?炊飯器ってなに?




お米炊くやつ?



…って、意識消失!?





こっちの患者さんの搬送順位上げてくださーい!」






(続)

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